昨日、広島市は64回目の「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」を迎えました。
秋葉忠利広島市長がオバマ大統領が掲げた核廃絶政策を「オバマジョリティ」と名づけ、大統領の演説を引用して、2020年までの核廃絶を主張しました。すでに、11月に予定されるオバマ大統領の初来日では滞在時間が短いことや米国内での反発を懸念して、広島訪問は無理との見方が出ていますが、まだ8月の段階ですから、今後の調整でどうなるかは分かりません。オバマ大統領は「核廃絶」を政策に掲げる米大統領です。短時間であっても、電撃的に訪問し、核廃絶政策をアピールする可能性はまだ残されていると考えます。あるいは、被爆者を東京に呼んで面会するとか、スピーチの中で大きく取り上げるといった手段もあるでしょう。核廃絶を主張する大統領である以上、来日して核廃絶に関する動きが何もないでは、逆に評価を下げるというものです。私は何らかの動きが必ずあるはずだと考えています。
また、元航空幕僚長の田母神俊雄氏が広島市で慰霊式に合わせて行われた講演会に出席したことが報じられています。田母神氏の見解は疑問で、今回の講演会「『ヒロシマの平和』を疑う」でも「核武装国は相手国の報復を恐れるので、先制攻撃は行わない」と主張したと報じられています。これは核抑止力を過大に評価した、理屈の立て過ぎというものです。キューバ危機の際、カストロ議長はアメリカがキューバに上陸しようとするなら、米艦隊の真ん中に核爆弾を撃ち込むようソ連に進言したという史実は無視されています。現在は、小国が核兵器を持ち、大国と対峙する時代であり、大国同士の核戦争での論理は機能しない恐れがあることも注意すべきです。田母神氏は以前から、アメリカは日本に武器を売り込んで植民地のようにしたいだけだと主張すると同時に、アメリカから高額の迎撃ミサイルを買うべきだと、矛盾する主張もしています。意外にも田母神氏が「先制攻撃論」に反対する立場だということも、今回初めて明らかになったわけですが、現在、自民党が推進しつつある、弾道ミサイルを発射前に巡航ミサイルで撃破する手法には反対なのかは不明です。どちらにせよ、核装備すれば日本が先制攻撃をする危険がなくなるというのは、ためにする議論だろうと考えます。
それから、straitstimes.comが、AFPの配信記事として、北朝鮮が今年4月5日のテポドン2号による人工衛星打ち上げ成功を記念して切手を発行したと報じています。もちろん、人工衛星は軌道に乗らなかったのですが、北朝鮮としては成功したことにしたいわけです。この記事は北朝鮮の通信社「朝鮮中央通信」の記事を引用しています。
さらに、紹介するだけに留めますが、アメリカの退役軍人がヒーリングのために、自分の軍服を細かく切り裂く芸術療法を行っているとmilitary.comが報じています。これは反戦運動のためではありませんので、誤解のなきよう。