military.comによると、兵士のブログの使用について、米軍は慎重な態度を崩さないままで、限定的に受け入れるに留まっているようです。
「Mud Puppy」というニックネームの技術兵が書いている「Embrace the Suck(「最悪の状況」の意味)」というブログは、軍隊生活を赤裸々に記述しています。一方、イラクの米軍指揮官レイ・オディエルノ大将(Gen. Ray Odierno)は「Facebook」にブログを持っています。統合参謀本部議長マイク・マレン海軍大将(Adm. Mike Mullen)は「YouTube」にチャンネルを持っており、ほぼ毎日「Twitter」を更新しています。将官たちが持っているブログは軍の公式見解に沿った内容ですが、兵士たちのブログは軍が書いて欲しくないと考えることまで網羅しています。軍はこうしたブログを取り締まりたいのですが、数が多すぎて一部しかチェックできていません。また、これからの数週間で、米国防総省はサイバーセキュリティ上の懸念から、軍のコンピュータからインターネット上のソーシャルメディアにアクセスすることを制限する新方針を打ち出す予定です。逆に、ウィリアム・B・コールドウェル4世中将(Lt. Gen. William B. Caldwell IV)は、軍隊内部の議論のためにブログを活用しています。かつては、ブログは検閲されたり、閉鎖されたりしました。ブログを持つ者は上官に申告して、評価を受けるために投稿を提出しました。一部のブロガーはおとなしくなり、一部のブロガーは地下に潜りました。米海兵隊は最近、再度インターネット上のいかなるソーシャルメディアについても使用を禁止しました。陸軍もアクセスを控えるよう指示を出しています。
ブログから軍事機密が漏れることはほとんどないでしょうが、兵士の日常生活などをあまりに多く公開すれば、敵にヒントを与えることになります。また、軍のネットワークをアクセスに使用すると、セキュリティの問題が生じるかも知れません。また、上官の悪口まで書かれると、軍隊の規律の問題にも発展します。こうした理由から、今後も軍隊のブログ活用はさほど進まないでしょう。しかし、隊内の議論の場として設ければ、話はまったく変わってきます。上昇志向の隊員はこうした場所にせっせと投稿して、上官の目を惹くことが可能になるからです。優れた意見を披露して、上官から「デキる奴」と認められれば、何かと引き立ててもらえる可能性が生まれます。彼らにとって、軍公認のブログは出世のツールとしてチェックを欠かせない場となるわけです。その点では、一般のネット利用と状況は変わりません。出会い系サイトでストーカーに出会ってしまう人もいれば、有益な情報を集めるのに使う人もいるわけです。
ちなみに、このウェブサイトには米軍からも一定数のアクセスがあります。