military.comによれば、NATO軍はアフガニスタン人9人と米兵4人を殺害した銃撃戦について調査をしています。
海兵隊員の教官のチームに同行した「McClatchy News Service」の記者によれば、彼らはアフガン東部のクナール州(Kunar)で待ち伏せ攻撃を受けて釘付けになった後で、繰り返して空爆と砲撃を要請しました。米軍指揮官は兵士は村の近くにいないと繰り返し告げられたにも関わらず、民間人の犠牲を避ける新しいルールのために要請を却下しました。新しい交戦規定では、居住者がいる可能性がある建物から500m以内に空爆や砲撃は行えません。国防総省広報官は、航空支援が到着するのに時間がかかったのは、交戦規定のためではなく、距離が遠かったからだと述べました。
4週間前、類似する事件が起きていました。陸軍のケビン・ビーム軍曹(Army Sgt. Kevin Beam)は小火器とロケット砲による攻撃を受け、兵士たちが負傷し、衛生兵は彼らに接近できませんでした。軍曹は砲撃を要請しましたが、却下されました。戦いの後で、彼の父親、退役海曹長クリス・ビーム(Chris Beam)は新しい交戦規定のために支援要請が却下されたことを知りました。息子に落ち度がなかったことを確認した後で、彼はランディ・フォーブス下院議員、マーク・ワーナー上院議員、ジム・ウェッブ上院議員に電子メールを送り、「私は政治家が立てた非常識な政策のために、我が子が死体袋に入って家に戻ってくるのを望みません」と伝えました。
「McClatchy News Service」の記事では、攻撃ヘリコプターが到着するまでに1時間かかったといいます。米軍は航空支援は5分以内に到着するとしています。部隊が最初にロケット攻撃を受けたのは午前5時30分で、部隊は釘付けになりました。支援要請を無線連絡したのは午前5時50分で、この要請は「派遣できるヘリコプターがいない」という理由で却下されました。6時5分には退却を決断し、敵の照準線を遮るために発煙弾を撃ち込むよう要請したところ、「発煙弾はないが、白リン弾ならある」との回答で、白リン弾を要請しました。しかし、敵の攻撃の勢いは衰えず、7時10分にヘリコプター2機が到着して上空から武装勢力を攻撃して、海兵隊はようやく動けるようになりました。。
これだけの情報から判断を出すことはできませんが、気になる情報は見つけられます。海兵隊員は村の女性と子供たちが窓や屋根に配置された武装勢力に弾薬を往復運搬しているのを目撃しています。これは武装勢力が建物に配置されており、村人が徒歩で到達できる距離であることを意味しています。つまり、村の中ではないけども、比較的村に近い場所が戦場だったのです。最初の支援要請は人家に近いことを理由に却下されたのではありませんでした。白リン弾は発煙効果と同時に焼夷効果も持ち、敵の頭上に落とすと大変な被害を出す砲弾ですが、敵が退却していないことから、少し外れた場所に落ちたのだと想像できます。結局、約1時間後にヘリコプターが到着したのです。新しい交戦規定が決定的な原因となったようには思えません。本当に近くにヘリコプターがいなかった可能性が十分に考えられます。交戦規定の件は、現場の兵士の主観的観測の結果かも知れません。近いうちに調査結果が公表されるでしょうから、それをよく検討してみたいと思います。