米陸軍が部隊のローテーションを発表

2009.9.15



 military.comによれば、米陸軍省は現在アフガニスタンに派遣されている師団司令部と戦闘航空旅団の派遣期間延長を発表しました。これは交替する部隊が、派遣前に本土で1年間の休養をとる必要があるためです。

 第82空挺師団司令部(the 82nd Airborne Division Headquarters)は50日間、第3戦闘航空旅団(the 3rd Combat Aviation Brigade)は14日間派遣期間を延長されます。交替する部隊は第10空挺師団司令部(the 101st Airborne Division Headquarters)と第10戦闘航空旅団(the 10th Combat Aviation Brigade)で、2010年の春遅くに派遣される予定です。

 一見、単なるお知らせの記事ですが、かつて問題視された派遣部隊のローテーションの問題に対する努力が分かる記事でもあります。次の派遣までに必ず1年間の休養をとるという約束を米陸軍は守ろうとしているのです。司令部は戦場には出ませんし、戦闘航空旅団はパイロットしか戦場に出ません。パイロットは地上にいるわけではなく、対空兵器を持たない敵に爆弾を落とし、機銃で掃射するだけなので、歩兵部隊よりは戦闘ストレスは受けません。この程度の派遣延長はそれほど苦にならないでしょう。肝心なのは歩兵部隊など、直接戦闘を行う部隊のローテーションです。しかし、いくらローテーションを厳密にしても、戦争が長引けば軍隊は疲弊していくものです。その限界はそろそろ近づいていると、私は考えています。


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