ソマリアの襲撃は米特殊部隊か?

2009.9.16



 昨日紹介したソマリアの謎の襲撃事件ですが、アル・シャバブの上級幹部を狙った暗殺だったという記事がmilitary.comで報じられました。

 殺害されたのは、1988年にケニヤとタンザニアの米大使館攻撃に関与したとされるサレハ・アリ・サレハ・ナブハン(Saleh Ali Saleh Nabhan)と他1人です。ケニヤでの攻撃では212人が死亡、4,000人以上が負傷し、タンザニアの攻撃では11人が死亡し、85人が負傷しました。当初、フランス軍の特殊部隊が実行したと報じられましたが、現在は米軍特殊部隊が実行したといわれています。別の報告では、死亡したのは4人で、その中にシェイク・フセイン・アリ・フィドウ(Sheikh Hussein Ali Fidow)が含まれるとしています。

 spacewar.comの記事では、ヘリコプターの数は4機で、インド洋上の米艦船から発進したと書かれています。死者の数は9人です。本人を特定するために、ナブハンの死体が持ち帰られました。伝えられるところでは、オバマ大統領は10日前にナブハン暗殺を許可する命令に署名しました。

 情報が錯綜していて、未だこの事件の状況は明らかではありません。今回の記事では死亡したナブハンの死体が回収されたと書かれています。昨日の記事では、死体は放置して、負傷者を連れ去ったということでしたから、暗殺ではないように思われました。しかし、今日の記事には攻撃ヘリコプターがミサイルを使って車を攻撃したと書かれており、これでは殺害が目的だったとしか思えません。ヘリコプターの数も4機なら常識的なところと思えます。特定の個人を攻撃するための限定的な攻撃なら、アメリカも実行するかも知れません。米政府から公式の声明が出ていませんが、暗殺されたのがナブハンなら、米軍がやったのは多分本当でしょう。2007年に同じ事件の容疑者を攻撃するために米軍はガンシップAC-130をソマリアで使っています(関連記事はこちら)。しかし、この場合も兵員を投入したことは確認されていませんでした。


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