アフガン戦の軍事的手法は限界

2009.9.17



 アフガニスタン戦を展望する記事がいくつか出ています。ドイツは2013年を目処にアフガンから撤退する基礎を築く方針です。統合参謀本部議長マイク・マレン海軍大将(Adm. Mike Mullen)は上院軍事委員会で、アフガン戦に勝つための正しい努力はもっと多くの兵士を要すると発言しました。アフガンにもっと多くの民間人の増派が必要とみられていますが、それは実現しそうにありません。

 military.comによれば、ドイツの外務大臣フランク・ウォルター・スタインマイヤー(Foreign Minister Frank-Walter Steinmeier )はテレビ討論で、2013年までにアフガンから撤退をはじめる基礎を作るのを望むと発言しました。

 military.comによれば、上院委員会のカール・レヴィン議長(Carl Levin)はアフガンへの増派に対して懐疑的で、委員会は彼の疑問を強調するために用いられました。

 military.comによれば、最近、ワシントンではアフガニスタン戦の勝利は軍人ではなく、民間のエンジニアや法律家、農家、実業家の活動が重要だと語られるようになりました。しかし、アフガンへの「民間人の増派(civilian surge)」は起こりそうにありません。2年前に類似した努力は行き詰まり、それ以降大きな変化を見せていません。人材が不足していることが元統合参謀本部のスタッフなど、各方面から示されています。一部からは、オバマ大統領がどれだけの民間人を招集できるかがポイントだという声があがっています。

 ドイツとイギリスはすでにアフガンから撤退する方向で動いています。アメリカもおそらく最後となる増派を推進していますが、議会は増派に対して懐疑的な意見が出ており、マレン統幕議長が援護している形です。そのアメリカも、あと3年くらいでアフガンから手を放したいと考えていると、私は見ています。問題は、どうやって「負けた」と見えない形で撤退するかです。そこで重要になるのが民間人による開発協力ですが、まったく進んでいないことが明らかになりました。アフガンに対する先進国の態度は、まるで植民地時代の延長のようです。我々が遅れた国を正しい方向へ指導するという傲慢なやり方でした。鳩山政権にはこうしたアフガンの状況をよく読み取って、正しい対処をして欲しいと考えます。もはや洋上給油の継続といった陳腐な強力を止め、民間人による強力な支援体制を確立すべきです。それを世界に、特にアメリカに対して示し、今後の日本の進む道を鮮明にすべきです。


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