military.comによれば、中央軍司令官のデビッド・ペトラエス大将(Gen. David Petraeus)がスタンリー・マクリスタル大将(Gen. Stanley McChrystal)のアフガニスタン戦略を支持しました。
ボイス・オブ・アメリカ(the Voice of America)によると、軍と民間の対テロ作戦の専門家が匿名で述べたところでは、ペトラエス大将は、現在の多方面からのアプローチがアフガンのテロと戦う唯一の方法だと言っているとのことです。これで、マレン統幕議長と共にペトラエス大将もマクリスタル戦略を指示したことになります。また、マクリスタル大将はオバマ大統領が今年末までに承認した21,000人に加えて、数万人の増派を要請するとみられています。
米軍全体がマクリスタル大将の新戦略を支持したと言っても過言ではない状況です。当然といえば当然の話ですが、オバマ政権はこうした環境の中で新しい決断を下すことになります。大統領府から、「こうすれば成功する」というアイデアを出すことは不可能です。アフガン戦はそういう作戦を立てられる環境にありません。他によい戦略がない場合、成功するとは確信できなくても現在の戦略を続けるしか手がないのも道理です。
それから、military.comによると、イギリス陸軍のアンドリュー・マッケイ少将(Major-General Andrew Mackay)が退役しました(テレグラフ紙によるプロフィールはこちら)。マッケイ少将は2007〜2008年までアフガン南部で英軍を指揮しました。広報官によると、少将は個人的な問題のため陸軍を除隊する決心をしたとのことです。しかし、新聞ではマッケイ少将は英政府のアフガン戦への対処に非常に批判的で、過去に紛争における政策の欠如と地元のアフガン国民を味方に引き入れるのに失敗していることに不満を表明しており、重要な問題点の覚書をロンドンに送っていました。また、スコットランド、北イギリスと北アイルランドを管轄する部隊で行われた再構築について、将来の戦闘効果にダメージを与えるとして批判的でした。少将は最近、この部隊の部隊指揮官として着任していました。
詳しいことは分かりませんが、複数の不満が除隊につながったようです。特に、アフガン戦に関する問題は是非とも内容を知りたいところです。テレグラフ紙の記事には、アフガンの経済発展と再建に対して、イギリスの努力が減少していることについて少将は強い不満を持っていたようです。マッケイ少将が単に不満を溜め込むだけ、上層部への不満をぶちまけることで自分が有能だと見せかけるだけの軍人でなければ、これはオバマ大統領の決断にも大きな影響を与える内容でしょう。また、日本の鳩山政権が洋上給油の代わりに開始するアフガン支援へのヒントもあるかも知れません。