military.comによれば、国連がアフガニスタンの大麻の生産量は昨年10%下落し、価格は十年間で最低になったと発表しました。
「the 2009 Afghan Opium Survey」によれば、ヘルマンド州での栽培量は2007年から2008年にかけて3分の1下落しました。ヘルマンド州はアフガンの大麻の70%を生産しており、アフガンは世界の大麻の90%を生産しています。国連は2009年の前半に軍事活動が50トンの大麻、7トンのモルヒネ、1.5トンのヘロイン、27カ所のヘロイン精製所を破棄したと報告しました。イギリス当局は武装勢力が大麻から年間1〜4億ドルの資金を得ていると推定しています。一部のアナリストは生産の下落は麻薬の世界価格が下落したためだと主張しています。ヘルマンド州は2008年に32,000軒の家庭に小麦の種子を配布しました。イギリスはこの計画をさらに広範囲に行い、ブドウ、ザクロ、アプリコットを含むように拡大しようとしています。大麻生産は2007年にピークに達して、2年間連続で下落しました。ケシの耕作面積は2007年に193,00ヘクタールだったのが、今年は123,000ヘクタールへ下落しました。国連によれば、大麻の農場価格は今年4分の1に下落しました。「Middle East Institute」の研究員マーヴィン・ウェインバウム(Marvin Weinbaum)は、介入は一定の役割を演じたかも知れませんが、基本的には市場主導だと述べています。生産の下落は当地で戦闘が増えたためかも知れず、長期的な下落を主張するには時期尚早だといいます。
ウェインバウム氏の見解によると、数字はよいのですが、まだ結論は出せないようです。こうした努力は時間をかけて結果が出るものです。種子を配布したのが2008年ですから、結果はあと2〜3年間をみる必要がありそうです。こうした農業指導はアフガンだけでなく、世界の発展途上国で恒常的に行う必要があります。現在は、国連やNGOが中心となって行っていますが、今後は国家が積極的に関与していく必要があります。これまでは国家の安全保障は軍事力の整備や外交交渉によって達成されるとされてきましたが、21世紀のテロ戦争では発展途上国と先進国の極端な格差が背景にあります。永遠に解決されないような貧富の差は戦争の火種となり得ます。たとえ軍事技術の劣る国であっても、一定の人口があれば、ハイテク兵器を持った米軍でも自在に統治することはできません。結局のところ、戦争を起こさないようにすること、戦争の原因を駆逐することが重要なのであり、将来においては、むしろ軍事技術よりも経済を安定させる技術の方が重要になってくると、私は考えます。「国益」という言葉は短期的なものを指すことが多く、人類はそれにとらわれすぎて無用な戦争を繰り返してきました。同じことを繰り返すよりは、新しい戦略を試すべきです。