military.comが、先週金曜日に、アフガニスタンのクンドゥズ州(Kunduz)で70人を殺害したとされる米軍の空爆について、続報を報じています。
被害の詳しい調査はまだ始まったばかりで、詳細は分かっていません。しかし、ドイツからは様々な見解が提出されており、あるドイツの高官はタンクローリーが自爆のために用いられたかも知れないと述べました。スタンリー・マクリスタル大将(Gen. Stanley McChrystal)は土曜日に現場を訪問しています。マクリスタル大将は現地のドイツ軍指揮官ゲオルグ・クレイン大佐(Col. Georg Klein)から、ミスがあったことを認める発言を得ました。タリバンが2台のタンクローリーを奪い、村人はタリバンに脅されたか、燃料を与えるといわれたためにタンクローリーの周囲に集まっていました。米軍機が頭上を通過し、機が撮影した映像から120人ほどが集まっているのが確認されました。映像は粒子が粗く、見るのは困難でしたが、地上で映像を見たドイツ軍指揮官は爆撃を決断しました。地上指揮官が爆撃の決定者ですが、爆撃する機のパイロットは爆撃を中止することができます。規則は地上指揮官とパイロットの両方が「良好な絶対的確証(a good positive identification)」を得た時だけ爆撃を実行すると定めています。なお、米軍は死者の数を56人と発表し、アフガン当局は少なくとも70人と発表しています。
ドイツはこの件ですでに逃げ腰になっています。ドイツではアフガン派遣に関して世論の同意が得られず、6日にドイツ政府はイギリス政府と共に出口戦略を模索するために、NATOの規模縮小を狙って国連会議を開くよう声明を出しています。ほぼ同じ時にこの誤爆事件が起こりました。マクリスタル大将が現場を訪問したのは、事態を重く見たためでしょう。新戦略が現場で徹底されないのでは、最高指揮官として面目が立ちません。今回の事件で気になるのは、現場上空を航空機がフライパスして、現場にいる者たちに警告を発したのかどうかです。わざと低空飛行を行って、まもなく爆撃が始まることを警告する規則があったはずですが、それは守られたのでしょうか。ドイツ政府は事件を徹底調査すると約束していますが、すべてを公表するとは述べていません。
なお、military.comによると、激しい戦闘によって、数千人のパキスタン人がカイバル部族地域(Khyber tribal region)から逃げています。パキスタン軍は土曜日に訓練施設2カ所、武装勢力の家屋15軒を破壊し、武装勢力33人を殺害し、9人以上を拘束し、拉致されていた2人を救出したと発表しました。この発表は独立して確認されていません。パキスタンの戦況も情報が不足していて、特に不明な部分が覆いままです。