大勢に影響はないかも知れませんが、ビックリするようなニュースをmilitary.comが報じました。イラクに大量破壊兵器が存在しないことを暴き、ブッシュ政権の欺瞞を世間にさらした元国連武器査察官のスコット・リッター(Scott Ritter)が、子供とのセックスに関する嫌疑を受けています。
この事件はポコノ・レコード紙(The Pocono Record)が最初に報じました(元記事はこちら)。簡単にいえば、リッターはおとり捜査に引っかかったのです。15歳の少女のふりをした警察官が、リッターとインターネットを通じて接触し、それが未成年者との不正な性行為とされたのです。リッターはインターネット・チャットの間、マスターベーションを行い、その映像を警察官に見せたと、モンロー郡当局は主張します。リッターは昨年12月に出廷した後で保釈されています。彼は2001年にニューヨークで類似した罪(棄却済み)に問われたことを認めました。リッターは1998年に国連武器査察官を辞任していました。
当時、リッターが「イラクには大量破壊兵器はない」と主張したことは、本当に衝撃的なことでした。その後、同時多発テロが起こり、ブッシュ政権が「イラクが大量破壊兵器を使う前に破壊する必要がある」として、イラクに侵攻した時、リッターの主張の正しさが証明されました。彼は日本のテレビ番組にも何度も出演しました。米軍は結局、大量破壊兵器を発見できず、情報源だったイラク人が、アメリカに亡命した後で特別な待遇を受けるべく、嘘をついていたことが明らかになったのです。ハト派からも信頼されていたコリン・パウエルは、国連でキューバ危機の際に、アメリカがソ連のミサイルがキューバに存在する証拠を突きつけた歴史的事件を再現して見せようとしましたが、失敗に終わりました。のちに、彼が国務長官を辞任したのは、このことに無縁ではないと、私は考えています。リッターの功績は、軍事知識によって真実を見抜くことの重要性を再認識させたのです。しかし、その彼も、タイガー・ウッズ並みの……と言うか、子供相手でもっと悪いスキャンダルに陥るとは想像もしませんでした。軍人の家系に生まれ、米軍に勤務した経験を持つリッターですが、厳格な家庭で育っただけに、健康的なセックスについて学ぶ機会がなかったのかも知れません。48歳の男が15歳の少女に関心を示すとは、性的に未成熟といわれても仕方がありません。特に、キリスト教を信仰する家庭では、セックスのことを口にするのも難しい場合があり、自分の性欲をコントロールするために、自分の性欲と正面から向き合うことなく、成長してしまうことがあります。士官学校で強姦事件をしばしば耳にするのも、こうしたことに原因があるのではないかと、私は推測しています。また、これがハニートラップだったとすれば、元情報将校として、脇が甘すぎると指摘せざるを得ません。 とにかくも、これは意気を挫くニュースです。