モルロック技術兵に裁判を勧告

2010.10.13

 military.comによれば、米陸軍の調査官トーマス・モロイ大佐(Col. Thomas Molloy)は、アフガニスタン人3人を殺害したとされる事件で逮捕された兵士の一人、ジェレミー・モルロック技術兵( Spc. Jeremy Morlock)を裁判にかけるべきとの勧告を、第2旅団指揮官バリー・ヒギンズ大佐(Col. Barry Huggins)に提出し、その判断を一任しました。

 モロイ大佐は、モルロックが薬物による障害があったとか、主犯のカルビン・ギブス2等軍曹(Staff Sgt. Calvin Gibbs)の脅迫の下にあったという評価ではなく、同僚から評判の良いチームリーダーと評価されていたと指摘しました。

 決定がくだるまでには数週間かかります。しかし、モルロック技術兵は、民間人犠牲者の実態を管理する一般命令違反、同僚への襲撃、派遣中にハシシを使った件でも告発されており、これらには十分な証拠があるとされます。


 前にも書きましたが、イラクで起きた虐殺事件と違うのは、この事件が現地指揮官スタンリー・マクリスタル大将の「民間人の犠牲を防げ」という命令が出されたあとで起きたことです。この命令はデビット・ペトラエス大将に交替したあとも有効のままです。よって、一般命令違反が付加されることになります。これは当然予想されたことでした。これにより、裁判がどのように変化するのかが気にかかるところです。特に理由がない限り、モルロックは殺人罪でも裁判にかけられると予想できます。



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