パキスタン兵士が武装勢力を虐殺か?

2010.10.13

 今度はパキスタン軍でスキャンダルが発覚しました。military.comによれば、パキスタン陸軍は、兵士の制服を着た男たちが、縛られ、目隠しをされた囚人たち銃殺するビデオについて調査を命じました。

 2つのビデオクリップは、携帯電話で撮影されたらしく、インターネット上に出回っています。アシュファク・パルベズ・カヤニ大将(Gen. Ashfaq Parvez Kayani)の声明は、映像は粒子が粗く、タイムスタンプはなく、陸軍の調査の一つは、軍服を着た者たちが本当に兵士かを判断することだと言います。

 ビデオが最初にどこに投稿されたのかは不明です。武装勢力のウェブサイトを監視する「The SITE Intelligence Group」は、ビデオは2週間前に武装勢力のサイトに現れたと報告しました。同グループは、パキスタンのスワト峡谷(Swat Valley)から来たと主張する者がビデオを投稿したと言います。パキスタン軍は2009年5月にスワトで攻勢をかけてから、不法な殺人を行ったと告発されています。米国法は過度の人権侵害を行う軍隊に対する援助を禁じています。

 長い方のビデオは5分39秒で、完全武装し、軍服を着たパキスタン兵のグループが、目隠しをされた男たちを壁の前の木が生えた場所に連れて行き、一列に並べて撃つのを示しています。一人づつとどめを刺せ」という声が聞こえ、兵士が男たちまで歩いていき、再び撃ちます。第2のビデオは53秒間で、処刑だけを映します。カヤニ大将の声明は、こうした事件を調査した経験を持つ中将1人と高官2人が調査委員会を率いると言います。調査の期限は示されていません。

 1980年代、アフガニスタンでのソ連との戦いで、パキスタンとの協力を維持するために、核兵器を作る国への援助を禁じする法律の適用を見送りました。パキスタンは1998年に最初の核爆弾をテストしました。

 10月に、北西部の対武装勢力作戦でパキスタン兵が男だけを殴るビデオがFacebookとYouTubeに明るみにでました。パキスタン軍は調査すると言いましたが、何も公表されていません。


 記事を簡単に紹介しました。時間がないので、コメントも簡単にします。

 問題点は十分に記事に書かれています。パキスタンはアメリカの援助がないと困り、アメリカは人権侵害に敏感です。先日、アメリカのヘリコプター攻撃を批判したこともあり、今回ばかりはパキスタン軍も調査をやらざるを得ないでしょう。

 前から、こういうことが行われているという話はありましたが、明確な証拠が出たのは初めてでしょう。ビデオの兵士が本物でも、特に違和感は感じません。



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