海兵隊がアフガンに無人輸送ヘリを導入

2010.10.25

 military.comによれば、来年、無人ヘリコプターが、アフガニスタンの遠隔地にある海兵隊の前哨基地に補給品を運ぶことになるでしょう。

 海軍貨物無人航空機システム統合製品チーム(Navy’s Cargo UAS Integrated Product Team UASは(Unmanned Aircraft Systems)の略)のエリック・プラトソン(Eric Pratson)によると、海軍は2011年に試用を行うために、今年中に請負業者を選定する計画です。

 ボーイング社の「A160T ハミングバード」とカマン/ロッキード社の「K-MAX」が受注を競い合っています。両者は今年初期にユタ州のダグウェイ性能試験場(Dugway Proving Ground・kmzファイルはこちら)で、陸軍、海軍、海兵隊にデモンストレーションを行いました。

 海抜高度では、K-MAXは自重と同じ6,000ポンド(2,722 kg)を持ち上げられ、カルーセル方式を用いると750ポンド(340kg)のパレット4個を上げられます。事前入力したGPS上の中間地点を使い、4カ所までの場所を飛び、直径10m以内の円内に荷物を降ろし、基地に戻ります。全任務は自動的に行われ、事前にプログラムをした人だけで、誰も航空機を制御しません。1時間あたり1,100ドルの費用がかかりますが、有人機よりは遥かに安価です。航続距離は270海里(約500km)です。

 ハミングバードは、2,500ポンド(1,134kg)を運搬でき、高度30,000フィートを、時速190マイル(306km)で飛行でします。2008年5月、ハミングバードは18.7時間を飛び、この重量のクラスの航続時間の記録を作りました。航続距離は2,250海里(約4,167km)です。

 陸軍もUASの必要条件を開発中ですが、まだ自身の計画を持っていません。


 時間がないので簡単に書きます。

 記事の雰囲気からすると、K-MAXの方が優勢のように感じられます。訳は一部省略してありますが、K-MAXの説明の方がハミングバードよりも多いのです。

 性能的にも、航続距離を除いてはK-MAXが有利です。なにより、ハミングバードは偵察を主眼に開発されたのに対して、K-MAXは輸送用に開発された有人機を無人機にしたものです。前哨基地が支援可能な距離に配置されることを考えると、片道2,000kmもの航続距離は不要といえます。K-MAXはカブールからカンダハルまで行けるくらいは飛べるのです。



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