補給路への攻撃が止まらない

2010.10.5

 military.comによると、パキスタンで米軍とNATO軍の補給品を輸送する車両への攻撃が続いています。

 記事から着目すべき部分を抽出しました。

 約1ダースの武装勢力が首都イスラマバードの郊外のトラックストップで車両に自動火器を発砲し、約20台のトラックが炎上、4人が死亡、7人が負傷しました。数時間後、ガンマンがパキスタン南西部で別のトラック2台を攻撃して、炎上させ、運転手を殺しました。パキスタンが先週木曜日にアフガニスタンとの主要な国境を閉鎖してから、4回の攻撃がありました。交通は南部の港町カラチから、多数のトラックが一触即発のカイバル道の中で攻撃の危機にさらされたままのトルカムまで、あちこちで渋滞しています。

 タリバンの広報官アザム・タリク(Azam Tariq)は、攻撃はグループの新しい部門が行い、攻撃は補給品が完全に止まるまで続くであろうと言いました。

 カラチからアフガンへ向かうトラックは、運転手が休息をとるために、数日間の旅の中で、たびたび止まりますイスラマバードの警察本部長カリム・イマム(Kalim Imam)は、彼らを常に守るのは不可能だと言います。

 チャマンへ向かう2台のトラックに対する、月曜日の二番目の攻撃には、犯行声明はありません。この攻撃があったカラート地区(Kalat・kmzファイルはこちら)は、この地域の主要都市クエッタの南100マイル(160km)にあります。オートバイに乗った2人のガンマンが発砲し、それから車両を燃やし、運転手を殺しました。正体不明のガンマンは逃げ去りました。1台のトラックは水を運んでいましたが、もう1台の荷は何かは不明です。

 チャマンに向かう途中の一部のトラックは、この地域の大洪水のために通過できないと、カイバル輸送協会の理事長シャキル・カーン・アフリィディ(Shakir Khan Afridi)は言います。「あのルートでも、コンテナトラックと石油タンクローリーは異なる地点で止まっていますが、そう多くではありません」

 土曜日、駐米パキスタン大使フサイン・ハッカニ(Husain Haqqani)は、国境はすぐに再開するだろうと言いました。


 昨夜、NHKラジオを聴いていたら、パキスタンが国境を閉鎖したのは、タリバンの攻撃から車両を守るためだと言っていました。これでは話が逆です。多分、実態を知らない人が記事を書いたのでしょう。

 タリバンの広報官が、すべての補給品を止めるまで攻撃すると言っていますが、気にする必要はありません。タリバンにそんな実力はありません。しかし、攻撃を行った「新しい部門」が何者かは気になります。パキスタン軍統合情報局「ISI」のことかと疑いたくなります。今回の事件はすべて、タリバンの支配地域の外で起きています。もっとも、タリバンはそういう地域でテロ攻撃を行ったことがあります。今年3月にインド国境沿いのラホールで起きた、多数の死者を出した自爆テロ事件は、タリバンが犯行声明を出しています。

 この調子だと、国境が再開されても輸送車両に対する攻撃は続きそうです。


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