military.comによれば、最近起きたワシントンの政府施設への連続発砲事件には、恨みを持つ海兵隊員が関与している可能性が出てきました。
バージニア州クアンティコ(Quantico)の国立海兵隊博物館(The National Museum of the Marine Corps・kmzファイルはこちら)が、木曜日夜に再び標的になりました。FBIは、同じ人物がこの発砲事件と先の3件の事件に関与しているとみています。同じ銃が博物館と10月17、19日の国防総省(関連記事はこちら)、火曜日のバージニア州チャンティリー(Chantilly)の無人の徴募事務所への発砲に使われました。しかし、彼らが犯人が海兵隊員らしいと考えた理由については述べませんでした。博物館の職員は、金曜日の朝に窓に弾痕を発見しました。発砲は博物館の夜間休館中に起きました。
日本の報道だと、この時点で犯人は海兵隊員だと書くでしょうが、アメリカの報道は確証が得られない場合、その通りに書きます。素っ気ない感じですが、それが報道のあるべき形です。FBIが理由を明言しない以上、FBIがそう発表したことと、理由が示されていないことを報じるのみなのです。日本なら「容疑者浮上!」と派手に書き立てるところです。
現場に残された弾のライフルマークから、同一の銃から発射されたことと、銃の種類は特定できます。しかし、銃から容疑者を直接特定したのではないと考えられます。アメリカでは銃を購入するときにライフルマークを登録する地域もあるようですが、すべての地域では行われていないと聞きます。自動式拳銃なら銃身の交換は比較的簡単です。拳銃を所有していても、誰かが盗んで使うこともあります。
そこで考えられるのは、監視カメラに撮影された容疑者の顔写真をコンピュータで照合して探したのだろうということです。今年3月に国防総省の地下鉄入り口で男が発砲して、警官2人が負傷した事件がありました。施設が警備を強化して当然の状況があるのです。一連の事件には目撃者がいません。それなのに短時間で容疑者を特定したのなら、画像解析の力かも知れません。さらに容疑者の身辺調査をしたところ、何らかの恨みを持つことも判明したのでしょう。でも、指名手配していないところを見ると、そのための材料が揃っていないのだと思われます。容疑者の氏名が公表されるのは時間の問題でしょうが、いまはそれを待つことにしましょう。
それにしても海兵隊員が容疑者とは皮肉なことです。