第5管区海上保安庁の職員が自分が中国船衝突のビデオを投稿したと名乗り出ました。状況証拠は彼が犯人でもおかしくないことを示していますが、まだ完全に裏付けが取れたとは言えず、逮捕も実行されていません。
一番気になるのはビデオが「海上保安官なら、誰もが見ることができる状態だった」ということです。これは編集済みのデータは石垣海上保安部の中だけで使われ、保管されていたという、これまでの説明とまったく違います。異なる管区でも、映像が見られたのなら、編集に使ったパソコンがネットに接続されていないとか、CD−Rが金庫に保管されているという説明はまったく意味をなしません。全国すべての保安庁職員が捜査対象になるべきだったのに、ここ数日間は石垣海保と那覇地検しか調べていなかったわけです。ビデオが海保のネットワーク上で閲覧できたことを海保自身が知らなかったのでしょうか?。そんなこともあり得ないとは言い切れませんし、その方が合理的です。海保自身が、発生した事件について即時知らされないのは不合理です。だとすれば、海保は不正確なことを公表したことになります。私はデータが石垣海上保安部と那覇地検だけに存在すると考え、そこからの漏洩の可能性を考えてきました。報道陣へはともかく、捜査陣もそう理解するような説明を海保がしていたとすれば、それは大変な間違いです。また、全国すべての報道記者が、地元の海保でビデオが見られているという情報を誰1人としてつかまなかったのは大問題です。
まだ、容疑が十分に固まったとは言えないので、コメントはここまでにします。もう少し状況を見てから、事件と報道の関係について、今回の事件が示す教訓についてかいてみたいと思います。それから、別の記事を夕方に掲載したいと思っています。