military.comによれば、米軍が、アフガニスタンのヘルマンド州(Helmand province)サンギン地区(Sangin)をイギリス軍から引き継ぎました。
サンギン地区は、タリバンが大きな資金となる大麻とヘロインを自由に生産できる、ヘルマンド州に残された最後の隠れ家であるため、イギリス軍が、この戦争で3分の1をうしなった場所です。この地区は、麻薬、武器、戦士がヘルマンド州から隣のカンダハル州へ運ぶ、主要な交通路でもあります。
記事のほんの一部だけを紹介しました。
この記事にはまったく驚きました。この時期にカンダハル州ではなく、ヘルマンド州の戦況レポートです。もう何度も、カンダハル州の戦況が報じらんないのはおかしいと指摘してきましたが、またもやです。すでに11月半ばに近い時期です。いまなら、カンダハル掃討が完了間近という記事が報じられているはずなのです。
しかも、この記事には読むべきものが少なすぎます。たとえば、イギリスでは、2007年にイラクのバスラで起きたように、イギリス軍が完遂できなかったことを米軍がやってしまうという懸念があるようです。こんな手柄争いみたいな話は、まったく下らない無用な話である上に、アフガン戦や対テロ戦には何の関係もありません。
それでも興味をひく記述はありました。
海兵隊はサンギン地区に到着して、すぐにイギリス軍がサンギン地区のいたるところに作った22カ所のパトロール基地の凡そ半分を閉鎖しました。海兵隊はイギリス軍の戦略を変更し、パトロールを増やしたのですが、それが一部の村民から不満になっています。タリバンが海兵隊のパトロール・ルートに沿ってIEDを埋めるので危険だという訳です。これはあまり意識されていないことです。パトロールを減らせば地元住民との連携がとれません。米軍の基本戦略を根幹から揺るがす問題となります。すぐに解決策を思いつけないことが、また問題です。