ハーバード大が同性愛差別撤廃を支持

2010.11.22

 military.comによれば、ハーバード大学のドリュー・グリッピン・ファウスト学長(President Drew Gilpin Faust)は、連邦法が同性愛者が公然と軍隊で勤務するのを認めたら、長く禁止している予備役将校訓練隊(Reserve Officer Training Corps)の再開すると言いました。

 ファウスト学長は「聞かない・言わない政策(don't ask, don't tell.)」が廃止されたら、ROTCを再開することについて、以前に話していました。彼女は、水曜日に大学で講演するマイク・マレン統合参謀本部議長(Joint Chiefs of Staff Chairman Adm. Mike Mullen)を紹介する際に自分の立場を強調しました。ファウスト学長はハーバード大学は、嘘をつかなくてもすべての生徒が軍務につく権利と名誉を得られるようになったら、ROTCを完全に認める用意ができていると言いました。この記事は、最初に学生新聞「The Harvard Crimson」に掲載されました。ハーバード大学は1969年にベトナム戦争に反対する中でROTCを禁止しました。同大学のROTC生徒はマサチューセッツ工科大学で訓練を受けています。


 19日付けの記事ですが、興味をひいたので紹介します。

 ROTCは、多くの大学で行われている将校訓練のための教程で、大学の授業と違い、退役軍人を教官とした完全な軍事教練です。類似する教程は高校にもあります。日本では考えられないことですが、こうした制度はさほど珍しくありません。ROTCを修了すれば、入隊した時に少尉として軍歴をスタートすることになります。4年生大学の卒業者が入隊すると、兵卒の最高位である技術兵に任官しますから、下士官を飛ばして少尉に任官できるROTCは大変に有利です。

 アメリカ北東部の名門大学が同性愛差別の撤廃に賛成したことになります。自由意志で兵役に就くのは、アメリカ独立に貢献した民兵を連想させるので、米国民には受け入れやすい考え方です。これは同性愛差別撤廃の促進に役立つことでしょう。



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