military.comによれば、連邦高裁は「聞かない・言わない政策」の施行を停止する判事の命令を無期限に延長し、新しい議会が就任する前にオバマ政権が上院を説得するという圧力を高めました。
第9巡回控訴裁判所の3人の判事による陪審団は、同性愛者が公然と軍務につくことを禁じることは憲法違反だという一審判決を討議する間、延期するという政府の要請を承認しました。レーガン大統領が指名した判事2人、クリントン大統領が指名した判事1人が構成する陪審団は10月20日に聞かない・言わない政策の施行を一時的停止を命じました。
月曜日の決定は、性的指向を公表した同性愛者のアメリカ人は軍隊に志願できず、調査される可能性があり、すでに軍務についているなら除隊させられることを意味します。「我々は軍人たちに、法律が有効である間は告白することは安全でないと警告し続けます」と「the Servicemembers Legal Defense Network」のオーブリー・サルビス(Aubrey Sarvis)は言います。
8ページの命令で、2人の判事は、地方裁判所のバージニア・フィリップ判事(Virginia Phillips)の同政策の全世界での禁止命令は、秩序ある変化を立案する政権の進行中かつ断固とした努力に深刻な混乱を与えかねないという司法省の論拠に説得されたと言いました。
「この軍隊における重大なことの秩序ある変化を永続させるという公共の利益は、もしそれが起きたとして、延期に賛成することに強く影響します」とダイアマウイド・F・オスカニラニン判事(Diarmuid F. O'Scannlain)とスティーブン・S・トロット判事(Stephen S. Trott)は書きました。「その上で、政権が議会を(政策を)廃止すること説得するのに成功すれば、この論拠と議論は無意味となるでしょう」。
凍結を命じる別の理由は、米国憲法修正第1条を侵害することなく、同性愛者が軍務につくことはできないと決定した時に、フィリップ判事が権限を越え、判例を無視したかどうかに疑いを投げかけた別の4つの連邦上訴裁判所によってなされました。
ウィリアム・フレッチャー判事(William Fletcher )は、延期を命じる前に陪審団が口頭弁論を開くことを提案したい、と部分的に反対意見を唱えました。フレッチャー判事は、この問題が抗告審判にある間は、聞かない・言わない政策が現役の軍人が除隊させるために適用されることを阻止したいと言いました。「採用の習慣を変えるため、隊員のマニュアルを変えるための上訴が未決の間、被告が命令をされることはないでしょう」とフレッチャーは言いました。
オバマ大統領は繰り返し、聞かない・言わない政策に反対だけど、法廷を通してではなく、立法上でそれを終了させるのを望んでいると言っています。夏の間、彼は民主党員と、12月1日が期限の国防総省の再調査の完了まで禁止令を解く法律を作るために活動しました。法案は下院を通過したものの、上院で阻止されました。大統領は火曜日の選挙のあとで機能不全の議会で別の採決を要請するよう約束しました。
「大統領は、聞かない・言わない政策が終わることを望むと主張します。議会が復活したら、廃止を推し進めてゲイとレズビアンのアメリカ人のために本当の変化を作るため、彼は話すのを止めて動き始める時です」とフィリップ判事の法廷に聞かない・言わない政策打倒を訴えた「Log Cabin Republicans」のR・クラーク・クーパー(R. Clarke Cooper)は言いました。
法廷は政府に1月24日までに、より広範な上訴の弁論趣意書を提出するように命じ、「Log Cabin Republicans」に2月22日までに回答するように命じました。この件の口頭弁論の日程は未定です。
「上訴裁判所に政府が提出したことで述べた理由により、我々は延期が適切だと考えています」と国防総省広報官ブライアン・ホイットマン(Bryan Whitman)は言いました。
今回は同性愛差別を進める米政府の側が、「Log Cabin Republicans」の求めに対して躊躇した形です。司法はあまりにも政治的な問題に関しては、一歩退くのが常道なので、そういう判断がなされたのです。
現在、政府は議会に働きかけて差別的制度を撤廃しようとしています。こうした中で司法が憲法判断をするのは避けられる場合が多いのです。ただ、まだ上院が賛成していないこともあり、方向性が確定していない中では違憲判断も意義があると思います。