military.comによると、キットサプ・バンゴー海軍基地(Naval Base Kitsap-Bangor・kmzファイルはこちら)を横切って、核弾頭の貯蔵区域へ到達した反戦運動家に有罪判決が下りました。
有罪とされた罪名は、共同謀議、不法侵入、海軍施設の資産破壊、国有資産の略奪です。彼らは禁固10年の可能性があり、刑の宣告は来年3月28日に行われます。
被告は、俗に「バンゴー5(Bangor 5)」と呼ばれている5人です。
ビル・ビクセル
(Bill Bichsel・82歳・タコマ・カトリック聖職者)
アン・モントゴメリー
(Anne Montgomery・84歳・ニューヨーク・修道女)
スーザン・クレーン
(Susan Crane・66歳・ボルチモア)
レーン・グリーンウォルド
(Lynne Greenwald・61歳・タコマ)
スティーブン・ケリー
(Stephen Kelly・61歳・カルフォルニア州オークランド)
刑罰は禁固で、共同謀議は最高5年、不法侵入は最高6ヶ月、海軍施設の施設破壊は最高5年、国家財産の略奪は最高10年で、一部は最高250,000ドルの罰金をもたらします。
5人は国際的な反核兵器運動「プラウシェアズ(Plowshares)」に参加しています。この名称は聖書の「戦いをやめて平和な暮らしをする(swords into plowshares)」という言葉からとられています。被告たちはバンゴーへ侵入したことを認めましたが、無罪を主張しました。
法廷書面によると、被告たちは2009年11月2日の夜明け前に基地に侵入しました。黒い服を着て、彼らはボルトカッターを使ってフェンスに穴を作り、内側へ入ってから、フェンスを結び直しました。ほとんどの被告はリビング・ウィル(尊厳死のために延命措置などを断る生前遺言)を持っており、ビクセルは彼が監禁に適さないという医師のメモを持っていました。
午前4時45分、彼らは目的地を行き過ぎて、基地北端に近いところで、民間労働者2人に発見されました。労働者たちは、地域を警備する海兵隊員が逮捕するだろうと思ったので、侵入者を報告しませんでした。
午前6時30分、4時間歩いた後、彼らはトライデントミサイルの核弾頭が掩蔽壕に貯蔵されている太平洋戦略兵器施設(the Strategic Weapons Facility Pacific)の立ち入り禁止区域に到達しました。彼らは2ヶ所以上のフェンスと警報システムを突っ切り、約6,000ドルの損害を生じさせました。海兵隊員が警報に対処し、核兵器を非難する旗を掲げ、赤い液体をフェンスと地面に振りまき、跪いて祈る彼らを制限区域の中で発見しました。
彼らは逮捕され、目隠しをされて海軍犯罪調査部へ連れていかれ、退去状を与えられました。
グリーンウォルドとビクセルは以前にも基地から締め出されています。
関係者のコメントは省略しました。この記事は読んだ記憶があるような気がしますが、当サイトで紹介するのは初めてです。
キットサプ・バンゴー海軍基地は、太平洋の潜水艦隊の基地が集結した場所で、訓練や修理が行われる場所です。核弾頭もここに保管されています。kmzファイルを使ってGoogle Earthの衛星写真を見れば、この基地に掩蔽壕が整然と並んでいるのが見えるでしょう。言うまでもなく、ここは最重要警備地域です。また、近くには海軍の別の重要施設が存在することも分かります。
ここに反核運動のために老人5人が侵入したのです。すごいパワーを感じました。強い信仰と死の覚悟ができていることで、恐いものがないのでしょうか。4時間もさまよい続けたのは気の毒でしたが、素人が基地の中をうろつき回っているのに、海軍が長時間察知できないことを世間に知らせたのも、別の意味で大きな功績です。これがテロリストだったら大変です。核兵器に到達するのは無理としても、掩蔽壕の入り口で高性能爆薬を爆発させるデモンストレーションだけでも、彼らにとっては意義があります。すでに何らかの対処はとられたと思いますが、パトロールの回数を増やすくらいしか手はなさそうです。