ロンドン会議の決定事項

2010.2.1


 spacewar.comが、ロンドン会議の模様をさらに詳しく報じています。

 アフガニスタン軍は、今年末か2011年初めまでに、一部の州の治安管理を行い始めるでしょう。NATO軍は支援的な位置へ後退します。会議後に明らかにされる共同声明は、アフガン政府が3年以内に国内の不安定な地域での作戦の大部分を担い、5年以内に物理的安全保護の責任を負う予定としました。カルザイ大統領は、アフガン兵士の給与のための15年間の財務支援と共に、欧米の軍隊によるアフガン軍への訓練と支援はさらに5〜10年間かかると警告しました。このため、欧米はアフガンの警察と軍を強化し、2011年10月までにアフガン軍を70,000人近くから172,000人へ、警察を136,000人へ増強します。さらに、西欧諸国は約16億ドルの債務救済を行い、ドイツは4,500人の派遣部隊に850人を追加し、ほかの国も若干の増派を約束しました。イギリス政府はタリバンを味方につけ、社会に復帰させる計画の初年度用として1億4,000万ドルを拠出しました。

 先の記事は十分に会議の内容を伝えていなかったようです。これでもう少し、会議の内容が分かりました。大体、予想できる範囲内という感じです。これでうまく行くかと言うと、あまり安心はできない気分です。将来起こることは分かりませんが、タリバンへのアフガン国民の支持があまりにも強い内は、大きな進展は見込めないと考えます。悲観的に見れば、計画が失敗するという予感も多分にあります。はっきりしたことが言えないのは、アフガンの内情に関する情報が少なすぎるためです。また、アフガン復興と並行して、アルカイダがソマリアなどへの影響力を高める可能性も高く、アフガンが落ち着いた頃に別の地域で問題が起きている可能性があります。現実的なところでは、このシナリオが一番可能性が高そうです。


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