military.comによると、アフガニスタンのマルジャ戦で、海兵隊の偵察チームがタリバンの背後にヘリコプターで投入されました。
約２ダースの海兵隊員が、夜明け前にタリバンの狙撃手が活動する地域に投入されました。木曜日には連合軍の兵士６人が戦死しました。これで、NATO軍は11人（２人はイギリス兵）、アフガン軍は１人が死亡しました。イギリス軍のニック・カーター少将（Maj. Gen. Nick Carter）は、地域を制圧するのにあと１ヶ月かかると言いました。木曜日には、銃撃戦が激しくなり、海兵隊は迫撃砲、狙撃手、ミサイルで武装勢力を攻撃しました。タリバン兵はRPGとライフル銃で応戦し、それは海兵隊がアフガン戦で直面した中でもっとも正確なものでした。
Google Earthで見ると、マルジャ（kmzファイル）はよく整備された農村地帯で、都市部はほとんどありません。航空支援の拠点のはずのカンダハル飛行場（kmzファイル）からは約170km西にあります。家から家までの距離はかなりあり、これだとタリバン兵が籠城して長く持ちこたえるような場所はあまりありません。先日、12人の民間人を死亡させたロケット攻撃の理由も、現地の地理を知れば納得できます。海兵隊が包囲して、ロケット攻撃を行ったところ、近所の家に落下したのです。近所と言っても、この辺の隣家は数百メートル離れています。現場の海兵隊員は唖然としたことでしょう。ロケットが畑に落ちる確率の方がずっと高いのに、民家に命中したのですから。あまり建て込んだ場所ではないのでロケットを使っているわけです。それでも不幸は起こるものです。
タリバンの背後に投入された偵察チームの仕事は戦闘ではなく、タリバンの活動を偵察し、攻撃すべき地点を友軍に知らせることです。戦闘はギリギリの段階まで行わず、そうなったら直ちにヘリコプターを呼んで引き払うことになります。 任務を果たすためには、戦闘をしない方がよいのです。建物がまばらなので、彼らの移動は困難でしょう。夜間に時間をかけて移動することになります。偵察活動も、敵が建物に分散しているので、１個分隊程度ではすぐに成果をあげられそうにありません。最後の詰めには時間がかかるという認識は妥当です。
これだけ広範な地帯をアフガン軍だけで警備できるかは疑問です。現地では、タリバン支持者が多いのです。アフガン軍に画期的な変化がない限り、この作戦の狙いは達成できないでしょう。
