army-times.comが、予想されるよりもタリバンの抵抗は激しいと、マルジャ戦の続報を報じています。
第6海兵連隊第3大隊指揮官、ブライアン・クリスマス中佐(Lt. Col. Brian Christmas)は「タリバン兵は圧迫されています。彼らは留まって戦いたいようですが、常に武器を捨てて逃げられます。それがこの戦争の性質です」と述べました。40人以上のタリバン戦士が保持するとみられる2平方マイルの地域に、アフガン国防相広報官は、タリバンが大量の隠された爆薬を放置したものの、これほど多くの兵士が戦うためにいたと分かって驚いたと述べました。「我々は多くの日がかかると予測しました。しかし、我々の予測は武装勢力がこんな風に抵抗しないということでした」。NATOは、武装勢力はマルジャの様々な場所で「断固とした抵抗」を行っていると認めましたが、攻勢全般は「順調」だと述べました。米海兵隊広報官は、海兵隊とアフガン軍は前進し続けているが、「強い抵抗の地帯」にぶつかり続けていると言いました。約80平方マイルを占めるマルジャにある3つの市場は部分的にオープンしているが、地域は完全に平静ではないと述べました。武装勢力は土嚢やその他の材料で強化された掩蔽壕から攻撃しています。道路爆弾で1人が死亡して、NATO軍の戦死者は13人へ増加、最低1人のアフガン兵の死亡が確認されました。一部の住民が街に戻りましたが、食べ物の価格は急騰し、砂糖やその他の穀物が2倍になりました。NATO軍は作戦開始から少なくとも16人の民間人が死亡したと発表しました。カルザイ大統領はタリバンに接触し、アルカイダと縁を切って、政府側に加わるように訴えましたが、和解と再統合のプロセスは困難だと判明しそうです。
military.comによれば、オランダの連立政権がアフガン増派に関する議論で対立し、崩壊しました。16時間の閣僚会議の後、ヤン・ペーター・バルケネンデ首相(Jan Peter Balkenende)の重要なパートナーが政権から出て行き、首相がウルズザン州(Uruzgan province)に配置されている1,600人の部隊を撤退させるという誓約に背いたと訴えました。
クリスマス中佐が言うことは、包囲はするけども、脱出ルートも残しておくという、マクリスタル大将の方針が、この作戦でも用いられていることを意味します。これなら、タリバンは最後まで戦わずに逃走できます。もちろん、その気なら政府に投降することもできます。それでも、タリバンは粘り強く抵抗しているようですから、まだ戦意はあるのでしょう。しかも、投降しそうな者が少ない見込みとなれば、タリバンは実質的に勝利したと宣言し、アフガン国民もそう思うでしょう。おそらく、作戦は順調に終わるでしょう。しかし、作戦の目的が果たせるかが問題です。軍事活動はそれ自体が目的なのではなく、政治目的を果たすために、手段として行われるというのが軍事哲学です。タリバンの投降が難しいなら、行政サービスの復活だけでも成功させなければなりません。すると、タリバンはこの行政サービスに向けてテロ攻撃を仕掛けると予測することができます。それを防ぐのが、作戦終了後のNATO軍の主眼となるでしょう。正規軍相手の戦いは、軍事行動がそのまま成果に直結しますが、ゲリラ戦の場合は必ずしもそうではないという点に注意が必要です。