military.comが、アフガニスタンのIEDが増加して危険になっていることを報じています。
記事は、爆発物処理部隊(Explosive ordnance disposal)の大尉が、下水口の中にゴミに混じってプラスチックの水差し、金属製のケースなどがないか調べていることを紹介しています。こうした入れ物にIEDが隠されているのです。
連合軍が車輌の装甲を増やしてから、タリバンはIEDの規模を大きくしました。IEDは僅か50ドル程度の材料で作られています。米軍情報筋によると、2003年には81件だけだったIED事件は、2009年には7,000件以上になりました。AP通信によれば、NATOアフガン駐留軍によれば、2009年には米軍の戦死者の40%以上にあたる129人がIEDで死亡し、アフガンにおける米兵の死傷者の約4分の3ががIEDに起因するといいます。
IEDは道路脇か建物の近くに隠され、手動で起動するか、部隊が単純な圧力プレートの上を通ったときに自動的に起爆されます。タリバンはイラクの武装勢力よりはIEDを採用するのが遅れましたが、現在は連合軍の最大の脅威となっています。カンダハル州南部にある基地の訓練用の道路で、民間人のインストラクタは、兵士に道路がカーブしているところ(車両が速度を落とし、武装勢力が狙いやすくなるところ)、壁の上に置いたボロ切れ、岩を積み重ねたものが、爆弾の位置を示す目印として使われるので注意せよと教えています。民間人の犠牲は以前として多く、2009年末期の4ヶ月は117人がIEDで殺されました。この数字はバスが9月にIEDの上を通過して死亡した30人を含みます。
やはり、IEDによる死亡率は75%程度という数字です。先日の90%という数字をどう見るべきかは、以前として不明です。IEDがたった50ドルで作れるなど、この記事のいくつかの数字は記憶しておくべきです。しかし、この記事を読んでも、IEDに対する有効な対策は「より注意する」ことくらいしか浮かんできません。これは対テロ戦初期に言われたことと同じです。アルカイダだけでなく、他のテロ組織もIEDを多用するようになる懸念もあります。また、記事中の民間人インストラクタは、元爆発物処理隊の隊員で、いまは民間軍事会社の社員なのでしょうから、いまでも民間軍事会社がアフガンで活動していることが分かります。なぜ、こうした基本訓練まで民間に外注するのかは本当に疑問です。