spacewar.comが、ムシュタラク作戦(Operation Mushtarak)の続報を伝えています。数ヶ月前から行われた警告に応じて、地元住民が避難を開始しています。
作戦は数日中に開始されます。タリバンの指揮官は戦士がマルジャ(Marjah)周辺に集結していると言い、タリバン広報官は戦う準備ができていると主張しています。ムシュタラク作戦は、昨年、ヘルマンド峡谷の大麻栽培地帯を支配する武装勢力の根絶に成功したかに見えた、イギリス軍のパンサー・クロー作戦(Operation Panther's Claw)と海兵隊のダガー作戦(Operation Dagger)の繰り返しです。地元住民のハビボラ(Habibullah)は家族と共に,2ヶ月前にマルジャを去りました。「あそこにはタリバンが大勢います。彼らは我々に暴力をふるい、我々が外国軍のスパイをしたと言って告発し、常に食べ物を要求します。まだ人々がそこで生活しており、タリバンがいまも支配しています。多くの戦い、銃撃戦、爆撃があり、多くの戦士がタリバンと戦うためにやってきて、去っていきました」と彼は言います。米海兵隊のラリー・ニコルソン准将(Brigadier General Larry Nicholson)は、マルジャがNATO軍が当面したことのない最大のIEDの脅威にさらされているといいます。米軍情報将校は、外国軍の死者と負傷者の最大90%がIED攻撃だとしています。今年は今までのところ、57ヶ国の外国軍の死者の大半はIEDが原因です。
先に出ていた「死者の90%」は、正確には「死者と負傷者の90%」であったようです。前の記事は誤りですね。これまでIEDによる死者が75%といわれていましたから、負傷者分を上乗せして90%なら納得がいきます。しかし、これは凄まじい致死率です。
2ヶ月前から作戦開始を告知していたのなら、非難する時間は十分にあったことになります。これがアフガン人によい印象を与えることを願います。気になるのは、前にもここで掃討作戦を行っていたのに、いまは武装勢力の巣窟になっていることです。今度はマルジャを奪還したら、アフガン軍が常駐し、二度とタリバンの手に街を渡さないことが大事です。これに成功すれば、タリバンの麻薬による収入を少し減らすことができます。数日中に始まるという作戦に注目します。
それから、ハミド・カルザイ大統領(President Hamid Karzai)が、国際的な支援なしに十分な規模の軍隊を築くために徴兵制を設けようとしているとmilitary.comが報じています。アフガンは、2012年までにアフガン軍・警察を300,000人へ、2015年までに国際的な支援なしに治安を維持できる用にすることを目標にしています。しかし、アフガン国防相アブドル・ラヒム・ワルダク大将(Gen. Abdul Rahim Wardak)は先週、徴用には事欠いておらず、現在のアフガンの状況では徴兵は実行できないだろうが、将来、それが設けられるかどうかは決まっていないと述べました。
アフガンで徴兵制とは、少々違和感を感じる話です。ムジャヘディンというボランティア戦士を基盤とする社会で、国家のために奉仕する徴兵制は馴染まないでしょう。アフガン人は地域ごとに生活が完結しており、国家意識は持っているものの、地域のそれよりは薄いと認識しています。欧米なら、徴兵に応じるのを名誉と感じても,アフガン人はどう考えるのかが気になります。今回の声明はカルザイ大統領の欧米向けのメッセージという印象が強いですね。大統領は欧米を安心させ、支援をより引き出したいのではないでしょうか。