military.comが、アフガニスタンの地方の治安を担う民兵組織について報じました。
一年間にわたる「アフガン地方防護軍計画(Afghan Provincial Protection Force program)」は、地元の民兵を武装させ、自分たちの村を守る計画は称賛されていますが、将来の努力は不安定な状態です。この民兵は「AP3」とよばれており、自動火器と一定の訓練を受け、コミュニティを守ることで報酬が支払われます。約1,200人の民兵が500,000人を少し超える州の住民を守るのに十分な軍隊となっています。AP3のメンバーは大抵が他の地域から派遣されるアフガン軍や警察と比べて、一般のアフガン人から多くの信頼を得ています。ネリク(Nerkh)地区議員は「AP3がいない時、治安はありませんでした」と述べました。この方法は、「イラクの息子(Sons of Iraq)」として知られる、100,000人のスンニ派の元武装勢力の男たちを雇い、武装勢力に対して武器を取らせ、テロ事件を急落させた組織に比較されます。ワルダク州のムハマンド・ファイダイ州知事(Muhammad Fidai)は、元タリバン戦士を政府側につけ、治安部隊を誠実な状態に置くことを支持しています。「彼らは人々に指示されています。彼らが何か悪いことをすれば、この地域の部族にすぐに露見するでしょう」。ワルダク州の米軍最高指揮官第503歩兵連隊第1大隊のマット・マクファーレン中佐(Lt. Col. Matt McFarlane)は、「彼らはワルダク出身なので、誰がよい人間で、誰が悪者か、誰がよそ者かを知っています」といいます。この計画には、指揮官が戦士の給料から金を盗むとか、保安軍に蔓延する汚職と強要、私服で行動することで起こる同士撃ちなどの問題がありますが、米軍と同盟軍から高い評価を得ています。この計画を拡大するアイデアが、11月にスタンリー・マクリスタル大将(Gen. Stanley McChrystal)と議論されましたが、大将は計画を調査するために6〜9ヶ月かけることにしました。
地元の民兵を活用するのは、以前から使われていた手法です。マルジャでは、地元出身の治安担当者は嫌われていますが、ワルダク州では逆の状況が生まれているようです。「イラクの息子」は問題だらけで、うまく機能しているという話は聞きません。イラク政府の財政問題による給料の遅配、政府軍への編入という約束が未完で、一部は武装勢力へ逆戻りするといった話を聞きます。イラクでは、上官が部下に装備品を売りつける習慣もあり、あらゆる形で下級兵士は上官から搾取される構造があります。おそらく、アフガンにも似たような状況があるはずです。また、スンニ派がアルカイダに協力しなくなったのがイラクの治安向上に貢献したのは間違いありませんが、その中でイラクの息子がどれだけの役割を果たしたのか、私は明確な理由を聞いたことがありません。もちろん、長老たちの命令で、地元の武装勢力がアルカイダを追い出したのは間違いがありませんが、イラク政府が組織化を図ったあとについて、詳しい話は聞いたことがありません。このため、アフガンでの成功についても明確には判断できません。マクリスタル大将と同じく、もう少し様子を見るくらいしか、いまは考えつけません。