military.comによると、イラクとアフガニスタンで少なくとも9ヶ月勤務した兵士は、休暇(rest and recuperation: R&R)を消化することなく、15日間の休日を得られることになりました。
この新方針は、最も困難な戦闘地域に派遣された隊員に対する特別な追加の恩典です。これまで、イラクやアフガンで休暇を取る兵士は累算される休暇の回数を使わなければなりませんでした。兵士は兵役期間に応じて休暇を獲得するので、下級兵士ほど使える休暇は少ないのです。長期間派遣された兵士が派遣の間に15日間の追加の休暇をもらえることで、隊員は帰還した時に家族とより長い時間を過ごせることになります。休暇に関する規則はこの新方針の下で変化するものではありません。指揮官は兵士の休暇をできるだけ許可するよう務めますが、戦闘任務の必要性は最優先されます。戦闘部隊の指揮官は、このプログラムをイラクやアフガン以外の地域でも要請できますが、そのためには兵士が「最も困難な状況」にさらされる戦闘地域だと定義されるのが必要条件です。
23日に、帰還期間を増やしても戦闘ストレスが多い状況を緩和できないのなら、派遣期間を短縮する方法があると、私は書きました。しかし、部隊の交替帰還を縮めるのは、実際に部隊を移動させる必要があるので困難です。おそらく、この新方針は代替案のようなもので、派遣期間を4分の3以上務めた者に、休暇を与えることで希望を持たせ、戦闘ストレスを緩和しようとしているのだと考えられます。海外派遣から戻った兵士は1ヶ月間の完全な休暇を与えられます。これに15日間を追加すれば、休暇を最大45日間へ増やすことができます。帰還期間も増やされているので、次の派遣のための訓練が開始されるまで日程上の余裕があるわけですから、こういう恩典なら兵士に与えやすいわけです。早く休暇から戻った兵士も、全員が揃うまでは軽い業務で時間をつぶすことになります。同時に、これは米軍のストレスがかなりの高レベルになっていることを示しています。軍の内部にも、政府が戦略を変えるべきだという意見が増えているものと予想します。こうした意見は、徐々にアメリカ社会に広まっていきます。こうして、アメリカ自体の対テロ戦争に対する興味は薄れていきます。早い話、戦いに飽きてしまうのです。同時多発テロの直後は興奮して戦いを支持した人たちまでも、この戦争に否定的になっていくのです。この心理的構造は忘れるべきではありません。将来、日本において、何らかの紛争が起こるとすれば、類似する心理的状況が見られるはずです。私たちは同じ轍を踏んではならないのです。