沖縄駐留米軍が不祥事で行動訓練

2010.3.25


 military.comによれば、最近沖縄で頻発した米軍人が関係する事件は、指揮官に強制的な行動訓練を要請しました。

 沖縄における上級指揮官、テリー・G・ロブリング海兵中将(Marine Lt. Gen. Terry G. Robling)は、すべての軍人と軍属に、「良好な秩序と統制を確実するために、何が彼らに求められるかを再考するための」部隊訓練に参加することを命じました。沖縄では、米軍人が関係する小さな事件ですら、島内の米軍基地に反対するための弾薬として使われます。最近の事件は、県知事と反基地派が沖縄の新しい海兵隊の航空施設を建設する計画を破棄させるキャンペーンを進めているときに起こりました。ロブリング中将は土曜日に「事件と事故をできるかぎり減少させるため」の方法を議論するために全軍の上級指揮官に会いました。この会議は部分的には3月16日に辺野古で起きたひき逃げ事故(海軍下士官が男性と彼の子供2人をハンヴィーではねて軽傷を負わせて逃げた事件)に対する反応です。ハンヴィーの事件に先だって3月14日に、那覇で海兵隊員2人が飲酒運転と公務執行妨害で逮捕された事件が起こりました。この事件では、沖縄の警察が午前1時過ぎにキャンプ・キンザーの近くで飲酒運転の疑いがあった海兵隊員が運転する車を停止させました。警察官が呼気テストを行おうとしたところ、車の乗客が警官を妨害しようとしました。ロブリング中将は記者会見で「私は、すべての階級で、すべての軍で、大多数がアメリカ大使の前衛をよく務め続けるよう指揮官に要請した」と述べました。個々の訓練は部隊単位で行われます。

 記事の後半には別の関連する事件の説明が書かれていますが省略します。上記の要約は原文のままに訳しており、私の見解ではありません。日本人にはカチンと来る表現(「弾薬」の部分など)が含まれていますが、アメリカ人の意識がよく分かる表現だとは思いませんか?。

 特に海軍は船に乗ると閉鎖的な空間で活動するため、ストレスが溜まりやすいといわれています。そこで、艦長は適当なところでレクリエーションなどを催して、乗員にガス抜きをさせます。また、隊員たちもお互いにガス抜きができる人間関係を維持して、艦隊任務が辛くならないように配慮するものです。それでもストレスを解消できない場合もあり、その結果が隠れた飲酒となって表れるのです。行動訓練のようなもので、基地外での犯罪行為が防げると考えるのは早計です。これは規律を守る意志と能力がある人には有効ですが、そうではない人にはほとんど効果がないからです。それに、こうした訓練は艦隊勤務中にも適宜行われていて、部署ごとに人生の先輩である上官によって行われています。酒の飲み方とか、異性との付き合い方とかでトラブルを起こして、せっかくの軍歴を無にしないようにと、様々な注意が語られます。その上に、こうした行動訓練をやっても、どれだけ効果があるかは疑問です。しかし、米軍も基地問題を少しでも有利な方向に進めるため、できることはすべてやる覚悟なのです。


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