military.comが、かねてから問題とされている陸軍の装備品に関する問題を報じました。
フォート・レヴェンワース基地にある上級軍事研究のための陸軍学校(Army School for Advanced Military Studies)のトーマス・エアハート少佐(Maj. Thomas Ehrhart)が書いた「アフガニスタンの小火器の致死性を向上させよ 歩兵を半キロ後退させよ(Increasing Small Arms Lethality in Afghanistan: Taking Back the Infantry Half Kilometer.)」は、最前線部隊が山岳地形で長射程でで武装勢力と戦うために十分に訓練されず、装備も不足していると主張します(原文はこちら)。議論はM4小銃の向上、あるいはその置換、地形に適合した新しい迷彩服を含む装備品の根本的変更を含みます。エアハート少佐は、アフガンで起こる50%の陸軍の交戦が300mかそれ以上で起きているのに、ほとんどの兵士は200mでM4小銃を撃つ訓練をしています。歩兵中隊の80%以上の兵士はそれ以上の距離で敵を攻撃できない兵器を装備しています。「米軍が戦う敵は、我々の装備品の限界によって誓約され、荷物を持ちすぎる我々の兵士が6,000フィート(1,828.8m)を超えて行動できないことを知っており、高地から、中火器・重火器を用いて攻撃しており、しばしば迫撃砲を含みます。200mを超えて効果を発揮できる兵器システムは中隊火力の19%であり、これは受け入れられないと、エアハート少佐は述べます。軍当局はこの批評を読み、基本的なライフル銃の訓練とその他の戦術をよりアフガンの脅威に対処するために再評価しています。陸軍は兵士がより射程とストッピングパワーを持つように、各歩兵分隊に7.62mmの改良型M14であるEBR-14システム(wikipediaの説明はこちら)を2丁配備しているところです。また、特殊作戦部隊の武器から、一般的な部隊が使える武器がないかも探しています。ある当局者は、5.56mmのM4小銃はイラクの市街戦では機能したけども、アフガンではより重量の重い弾丸が必要だといいます。フルオート射撃ができて、長射程用のスコープを持つM4A1が、アフガンに増派される3個旅団に提供されました。
米軍はとにかく研究熱心な軍隊ですが、時として分別を働かせすぎると感じることがあります。武器の改善は必要でしょうが、武装勢力は中古のAK-47でほとんどすべてをやっているのです。EBR-14の配備は必要でしょうが、それでも状況が改善しないのは、元々の戦略に無理があるからと考えるべきです。一番の問題は、改善のほとんどが戦術的な面に向けられていて、誰も戦略の問題だと考えないことです。それは間違いが余りにも大きくて、誰も口に出せないためでもあります。 米軍の装備は間違いなく世界一で、武装勢力は数段劣った装備で戦っています。エアハート少佐が指摘した問題を改善しても、戦況はおそらく改善しないでしょう。