military.comがアフガニスタンで空軍の整備が進んでいることを報じています。
現在、アフガン陸軍航空隊は3,100人の隊員と50機のヘリコプターと輸送機を持っています。計画では8,000人まで増やし、航空機100機を追加します。カブール(Kabul)、カンダハル(Kandahar)、西部のシンダンド(Shindand)に3つの航空団があります。今月、アフガン軍は、1950年代以来、はじめて西欧の軍用機、イタリア製のC-27軽輸送機を手に入れました。1980年代のイタリア製航空機20機が2012年までに配備され、固定翼の輸送隊の背骨を形成します。アフガン空軍は1920年代にはじまり、1980年代のソ連占領期に、戦闘機、爆撃機、輸送機、武装ヘリコプター、約500機でその頂点に達し、ソ連撤退の後はタリバン統治の中で使われなくなり、僅かに残っていたものは2001年のアメリカの爆撃で破壊されました。2005年に部隊が再編された時、それはゼロから始まりました。機体は旧ソ連によって供給され、タリバンと米軍主導の侵攻期に姿を隠していたパイロットが雇用されました。現在、平均年齢が40歳のパイロットは、彼らがよく知る航空機へ戻ってきました。輸送ヘリMi-17は政府軍兵士の支援をする補給任務、冬期間の民間人への救援物資の配送、地滑りやその他の災害の犠牲者の支援のために飛び、Mi-35武装ヘリは護衛や戦闘任務で飛んでいます。任務の半数で、コックピットに西欧の教官は乗っていません。現在、80人のアフガン人がアメリカ、イギリス、アラブ首長国連邦で訓練されていますが、まだ彼らは数ヶ月、数年間も飛んでいません。もう一つ、給料という問題があります。臨時給与がパイロットと地上クルーのために承認されたばかりですが、25年間の勤務経験、数千時間の飛行時間のあるベテランは月額400ドルをもらうだけです。また、夜間飛行で使う機材の使い方を知りません。アフガン空軍の指揮官ダーラン・マゾーミ中将(Lieutenant General Dawran Masoomy)は、追加される航空機を動かせるようになるには、少なくとも5年間かかるといいます。
5年後に100機の空軍を持つとすると、それ以前に米軍は撤退してしまうでしょう。ギリギリという感じですが、これは順調に進展した場合の話です。その時にはパイロットは平均年齢が45歳になっています。それまでに新しいパイロットを要請している必要があります。かなり厳しい話です。パイロットに給料を払えない状態で、新しい機体を維持する経済力はあるのでしょうか?。部品の供給が滞るといった心配もあります。タリバンにとって、新しい航空機は格好の攻撃材料でもあります。それでも、航空力はタリバンに対抗する有力な力です。攻撃ヘリコプターは、地上軍にタリバンにはない力を与えます。これらを国際社会が支えていくのです。日本も新しい支援を考える必要がありそうです。しかし、計画通りには行かない気がします。貧困国で紛争が起きた場合、このような状況が生まれる可能性があることを、認識しておけということでしょう。
ところで、military.comによると、オバマ大統領がアメリカ生まれであることを納得するまで、海外派遣に応じないと宣言したテレンス・ラーキン中佐(Lt. Col. Terrence Lakin)は12日、命令に反してフォート・キャンベル基地へ出勤しませんでした。陸軍がラーキン中佐を無断欠勤で告発する可能性が出てきました。