marine-corps-times.comによれば、スタンリー・マクリスタル大将(Gen. Stanley McChrystal)が定めた新しい交戦規定について、海兵隊基地を選挙区に持つ下院議員が検討を要求しています。
ルジューヌ基地(Camp Lejeune)を選挙区に持つ共和党のウォルター・ジョーンズ下院議員(Rep. Walter Jones)は、新しい交戦規定があまりにも頻繁に米兵の命を奪っていると言います。彼は、戦闘で死んだ現役の海兵隊員とその家族が一定の間隔でこの問題について接触してくると言って、下院軍事委員会に審理を要求しています。2月に、マルジャのタリバン拠点に対する攻撃に参加した海兵隊員は、彼らが危険な戦闘の状況のいくつかにおいて、頻繁に発砲をためらったり、中止したりしたと、AP通信に語りました。トラビス・アンダーソン伍長勤務上等兵(Lance Cpl. Travis Anderson)は「私はその背後にある理由は理解していますが、このような戦争を戦うには難しすぎます。彼らは我々の交戦規定を我々に対抗するために利用します」と言い、彼の小隊は繰り返し、男が民間人に溶け込むために立ち去る前に溝に銃を落とすのを見たと付け加えました。ジョーンズ下院議員は3月10日に下院の廊下で「もし、これが我々が戦争を戦う方法だとするならば、それは戦争を戦うには不幸な方法です」と言いました。3月25日に、彼は下院軍事委員長のアイク・スケルトン下院議員(Rep. Ike Skelton)に、公聴会を開くように次のような書簡を送りました。「交戦規定が頻繁に命取りになっており、その上、我々の軍人を法的危険に置くことが分かったのを知ることは、自己防衛の権利における我々の基本的な信条に反抗します」「また、亡くなった軍人の家族に、我々の政府の関心が外国の国民の心をつかむことで、彼らの息子が自分自身を守ったり、彼が頼りにする航空支援すら妨げると説明するのは法外に難しいのです」。委員会がジョーンズ議員の懸念を取り上げる保証はありません。国防総省は交戦規定は敏感な問題だとして公に議論しないので、委員会は公聴会を開かないと、委員会の広報官は言います。より多くのメンバーが要求しない限り、委員会が非公開の報告を求めることはありそうにないと、別の委員会のメンバーは言います。
記事の後半は省略します。また、交戦規定は機密というのは詳細に関してであり、国際人道法(ジュネーブ条約)に準拠することから、内容が大幅に異なることはないはずです。機密にされるのは、おそらく、ごく一部に関してだと思われます。
戦争を市民社会の常識で語ろうとするから、こうした議論が出てくるのです。戦争は修羅道であり、共存共栄を基盤とする市民社会の常識とは相反します。もともと別の戦争の道もあったのに、現在のようなスタイルの戦いを選んだのはアメリカ自身です。その結果は、どんなに悲劇的であっても、受け入れなければなりません。私は、同時多発テロの直後に、アメリカがアフガンにいるタリバンやアルカイダを攻撃するのはやむを得ないと考えました。しかし、市民を巻き込んだ戦争をするとは考えませんでした。敵の拠点を見つけ出して、そこを攻撃するのだと考えました。しかし、米軍は民間人の存在を無視して戦いを進め、彼らに犠牲を強いた上に、イラクに侵攻するというまったく意味のない戦略を採用しました。その結果、軍隊が外国の民政にまでタッチするという、やったことのない戦いを自らに強いたのです。その結果、戦いはゲリラ戦として発展しました。もはや、この路線を変更することはできません。こうした戦いで、現在生じている程度の被害が出るのは、過去の歴史を見ても、特別に不思議なことではありません。それくらい戦争というものが過酷だという認識が、幸せすぎる社会に住んでいるアメリカ人にはないのです。銃後にいる者たちが、敵に優しい交戦規定に疑問を持つのは当然です。戦地にいる兵士がそう考えるのも、かつてから言われてきたことです。兵士は敵が交戦規定の抜け道を考えることを心配し、自分がそれを守るのは損だと感じるものなのです。交戦規定を変更した後ですら、民間人への誤射・誤爆は起きています。現在の交戦規定を続けて、アフガン国民の支持を少しでもアメリカに向けない限り、戦争目的は達成できないでしょう。それどころか、戦争目的の達成は極めて難しい段階まで来ているのです。それくらい厳しい状況にアメリカは置かれています。権利を主張して、最後の望みまで捨てるのなら、最初から戦争などするべきではありません。