military.comによれば、バラク・オバマ大統領は木曜日に、アジア訪問前のオーストラリアのテレビ局とのインタビューで、彼のアフガニスタン増派戦略を援護しながらも、アフガン問題はよい方向に向かっており、来年に米軍の撤退を始める計画は順調だと言いました。
オバマ大統領はアフガン戦は依然として困難ですが、最近、肯定的な動きがあったと言いました。米兵の戦死数は今年上昇し、赤十字社によると、それはIEDのためです。タリバンによるテロも増加しました。「私は(アフガンが)よくなっていないという意見に反対します」「私は我々が見たものは、私が大統領になる前の年に増加したタリバンの勢いを鈍らせるものだと考えます」「我々は永遠にそこにいることはできません。アメリカ国民もオーストラリア国民も必要がなくなったあとも重荷を運ぶように要請されてはなりません」
アジア訪問の主要テーマである地球温暖化についても記事は書いていますが、省略しました。
オバマ大統領の言葉を逐一評価することも出来ますが、それはあまり意味がないかも知れません。アフガンから撤退する決断をしたのは大統領自身であり、それを変更するはずがないのは当然です。それまでは、大統領は政治的な発言として、何があろうと増派戦略を擁護します。そもそも、撤退自体が軍にとっては抵抗のあることなのですから、それすら難航していると言えば、軍人の反発を買うことになります。以前に紹介したように、専門家はタリバンが少し弱体化しただけで、この程度の問題は経験済みです。それを考えれば、事態が大して変わっていないことは、軍人も政治家も気がついているでしょう。しかし、「それを言っちゃあお終いョ」というわけで、黙っているわけです。専門家が言うのは自由だけど、当局者には禁句なのです。この辺のさじ加減を考えながら発言を読み解いていく必要があります。
それから、military.comによれば、キルギス共和国のマナス空軍基地が木曜日に完全に再開されました。
基地にはアフガニスタンからポーランドへ帰国する同国の兵士200人がおり、先日航空機事故で亡くなったレフ・カジンスキー大統領の葬儀に間に合うことを喜んでいました。空中給油飛行は2日以内に再開さましたが、人員の輸送は4月9日から1週間中止されました。ロバート・ブレイク国務副長官(Assistant Secretary of State Robert Blake)が新しい指導者との会談のためにビシュケクにいますが、彼はマナスは議題の中心ではないけども、暫定政権がアメリカとの協定を守り続けるという声明に感謝すると言いました。
この記事には書いてありませんが、旧政権のバキエフ大統領が出国し、事実上亡命しました。昨日私が指摘したように、出国させたくない人物が亡命したことが確認されたので、空港が再開されたわけです。でも、意外に早く決着が着いたのに驚きました。飛行停止となった期間が比較的短いため、米軍の損失は最小限に抑えられたと言えそうです。