海賊対策の最後の問題とは

2010.4.17

 military.comによれば、米軍のミサイル駆逐艦ファラガット(USS Farragut )が、アデン湾でタイ船籍の「MV Thor Traveler」をRPGとライフル銃で攻撃した海賊を捕らえました。

 海賊は、午前3時に「MV Thor Traveler」を攻撃しました。ファラガットのヘリコプターが接近すると、海賊は武器らしい物を海に捨てました。隊員が乗り込んで海賊の手持ち品を没取し、スキフはソマリアの海岸に戻るように指示されました。海賊が放免されたため、国際社会が海賊行為についてまだ解決していない問題が強調されました。それは、どの国が海賊を占有し、起訴すべきかということです。ケニヤは今月、法廷システムに不当な重圧をかけていることを理由に、海賊を持ち込むことを拒否しました。10人のソマリア人海賊はドイツで裁判にかけるため、今週オランダに到着しました。ヨーロッパの国が海賊を裁判にかけるのは珍しいことです。ソマリアの司法制度は機能していませんが、数百人がプントランド(ソマリア北東部の地域)の半自治地域にある過密な状態の刑務所に収容されています。少数の海賊はイエメンとモルディヴに収監されています。木曜日にはスペインの艦船も海賊を捕らえましたが、海賊は海岸へ連れて行かれました(そこで釈放されたという意味と思われます)。EU諸国の海軍は、海賊行為を防止するためにソマリア沿岸でパトロールを強化し、そこで多くの攻撃が起きています。海賊はここ数ヶ月で攻撃を増やしましたが、その成功率は海上パトロールと船上の保安手段の増加により下がっています。

 先に、拘束した海賊が放免されていることが疑問だと書いたことがありましたが、受け入れ先がないのが原因のようです。確かに、このことは以前から指摘されていました。海賊防止の手段は効果を発揮し出しており、あとは、逮捕した海賊の処罰方法を決めることが課題です。ようやく、海賊問題にも解決方法が見えてきたという感じです。最終的には、国連に特別な裁判所を設けて、そこで裁くしかないのかも知れません。


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