military.comが、アフガニスタンのハミド・カルザイ大統領が最近、過激な発言を続けていることについて報じました。
長い記事なので、短く要点をまとめます。
カルザイ大統領とオバマ大統領はアフガンの戦争を終わらせるための方法で対立しています。カルザイ大統領はタリバン指導者と交渉しようとしており、オバマ大統領は米軍を増派しました。先週、オバマ大統領がアフガンを電撃訪問したことはカルザイ大統領の面子をつぶしました。そこで、カルザイ大統領は自分がアメリカの傀儡でないことをアフガン国民に示す必要に迫られました。専門家はオバマ大統領がカルザイ大統領と会談して、もっと政府内の汚職や縁故主義と戦うよう圧力をかけたのか当惑しており、会談は誤った対応だったと言います。カルザイ大統領はジョージ・ブッシュ大統領によってその座に就き、オバマ大統領が就任すると彼の株は下がりました。オバマ政権は繰り返しカルザイ大統領を非難したからです。オバマ大統領の訪問から3日経ってから、カルザイ大統領は反撃を開始しました。カルザイ大統領は、国際社会が昨年の詐欺行為のあった大統領選挙に干渉し、彼の権威を弱めようとしたと非難しました。そこで、ヒラリー・クリントン国務長官は事態を整理するために、金曜日に彼と電話で話しました。しかし、カルザイ大統領は、アフガン議員との会談の席で、タリバンに加わると二度脅しました。ホワイトハウスは再び驚愕を表明。ロバート・ギブズ報道官は失望したと発言しました。
この記事は主に外部の見解が書かれていて、オバマ政権内部で実際にこの件に関わっている人の意見はほとんど書かれていません。私はカルザイ大統領はクリントン国務長官と相談の上で、議員を脅したのだと推測しましたが、この記事は逆の見解です。ひとまず、私の推論は取り下げた方がよさそうです。
オバマ大統領のアフガン電撃訪問は、私にも理由が分かりませんでした。この時期になぜ訪問する必要があったのか、ピンと来なかったのです。そこで、汚職と縁故主義の一掃を求めたとすれば、アメリカにはそれが急務だという認識が、大統領が訪問する必要があるほど強い形であることになります。しかし、それがカルザイ大統領の威信を傷つけたので、今回の問題が起こったというのが記事の主旨です。
こうした記事が報じられる一方で、カルザイ大統領の広報官から、「タリバンに加わる」との発言を否定する見解が出されたとmilitary.comが報じました。ワヒド・オマル広報官(Waheed Omar)は、カルザイ大統領はコメントが報じられているのを見てショックを受けて、それがどこから出たのかが分からないと言います。「状況を考えると、そのコメントは、誰がコメントしたかに関係なく、意味がありません」とオマル広報官は言います。
真相は闇の中です。しかし、唯一考えられることは、文化の違いから生じた行き違いと言うことにして、今回の一連の問題はなかったことにすることです。おそらく、カルザイ大統領は「タリバンに加わる」発言により、思わぬところから反撃を受けたわけで、今後は発言を慎むでしょうから、これ以上の暴言はしないと考えて差し支えありません。ここは時間をおいて、双方が対策を考えてみることです。