military.comによれば、キルギス共和国の武力による政局混乱は、同国のマナス(Manas)のビシケク空港(the Bishkek airport)に置かれた米空軍基地からアフガニスタンへの軍用機の飛行を中止させ、NATO軍の移動を混乱させ、戦略輸送拠点における米軍の状態に疑問を投げかけましたが、基地は存続しそうです。
人道支援任務と通常の兵士の移動は注視されました。軍用機の飛行水曜日の遅くと木曜日の大半が禁止となりましたが、一部の活動は復活しました。反政府勢力が現政府を転覆したら、アメリカはもう一度交渉を迫られるでしょう。現在の1年間の賃貸契約は7月に期限が切れます。反対派の指導者は以前に米軍の駐留に反対を表明していましたが、立ち退きの話は出ておらず、専門家もそうした動きは考えにくいと言っています。木曜日に指導者で元内務大臣のローザ・オトンバエワ(Roza Otunbayeva)はAP通信に、現在の合意事項を見直す計画はないと語りました。「時間を下さい。我々が状況を理解して修復するには時間がかかります」とオトンバエワは言います。イギリスの王立国際問題研究所(the Chatham House)の中央アジア専門家、アネット・ボーア(Annette Bohr)も軍事基地が閉鎖されるのは考えにくいと述べています。ボーアは貧しい中央アジア国家はより多くの金を必要としており、問題は金で落着するとみています。
細かい点は省略しますが、以前から不安定で閉鎖されることもあったキルギスの米空軍基地はなんとか首がつながりそうです。ドイツなど、ヨーロッパの基地からアフガンへの補給物資や人員を運ぶ航空機は、必然的に中央アジアの空を飛ぶことになり、これらの地域に補給の拠点を設ける必要がありました。元は、パキスタンから陸路で補給を運んでいましたが、このルートは武装勢力の攻撃にさらされ、より安全な北方ルートが必要となったのです。マナスの基地が使えないことは、増派により補給量が増えるアフガン作戦に支障を来すのは疑いようがありません。反政府派が実権を掌握すれば問題は収まりますが、これらの地域は政情が不安定で、将来どうなるかは分かりません。このため、アメリカはこの地域の安定のために、特にロシアと強調をはかることになります。こうしたアメリカの姿はほとんど「屋根の上のバイオリン弾き」です。