アフガン警備員による無差別発砲が問題に

2010.5.1


 military.comによれば、NATOの輸送隊を警護する民間のアフガニスタン人の警備員が恒常的に通過する村を広範に銃撃し、地元民の支持を獲得しようとする連合軍の努力を妨害しています。

 警備員は潜在的に武装勢力になる者を脅かすために村に向けて発砲し、民間人の犠牲者も生んでいます。アフガンの主要都市を結ぶ5号線を警備する米陸軍第5ストライカー旅団のマット・クィグル大尉(Capt. Matt Quiggle)は「特に人口密集地域を通過するとき、彼らは尋ねる前に発砲する傾向があります」と言います。警備会社は地方の有力者が所有していたり、関係があるために、多くの警備員はほとんど反応しませんでした。3月にNATOの輸送隊を警護する警備員に兄スライマン(Suleiman)を殺されたシェール・モハメッド(Sher Mohammed)は「政府は我々を気にしていません」「カンダハルの有力者は会社を支配していて、貧しい人々を気にかけていません」と述べました。モハメッドは、過去8ヶ月で類似した事件で2人の親戚が負傷したと言いました。その1人は12歳の男の子で、彼と他の人たちは地元のオバイドラ・バワリ知事(Obaidullah Bawari)に訴えるために、フータル(Hutal)のマニワンド(Maiwand)地区センターへ行きました。バワリ知事は「これはマニワンドだけでなく、カンダハル全体の重大な問題です」「彼らは無辜の人々を理由なく撃ち、万人に対する問題を作っています」と言いました。スライマンが撃たれた1号線を警備するデイブ・アブラハム中佐は、大衆の怒りはアフガン政府と連合軍に向けられ、アメリカなどが住民の支持を得るのを難しくしていると言います。アブラハム中佐は昨年末に上官にあてた電子メールで「これらの会社による無責任な行動」は地元民の支持を得るNATOの試みを危うくしていると書きました。「彼らは武装し、制服を着て、アメリカの輸送隊を警護し、無差別に村を銃撃しているのです」。一部の民間警備員は不適切に行動していることを否定します。カンダハル州でNATOの補給品を運ぶのを助ける民間軍事会社で働くジャラド・カーン(Jalad Khan)は、「NATO軍は我々を信頼している」と言い、NATOが彼らを雇って訓練したと付け加えました。彼は無差別の発砲は滅多に起こらないと言いました。「ほとんどの場合、誰かが我々を攻撃した後か、NATO軍が発砲を始めた後だけに行動を起こしています」。一部の村民は、彼らが盗賊や脅威になりそうな武装した人々から輸送隊を守ったときも、警備員が発砲したと訴えます。11月に、大隊副指揮官のアブラハム中佐は、輸送隊が彼の基地を通過した時に停止させ、問題に立ち向かおうとしました。「我々は基本的に警備隊全員を拘留し、私は座って彼らの指揮官に、NATOと働く認証を取り上げることになるから、理由がない場合、基本的に脅威がない場合は発砲するなと告げました」「でも、我々はフラストレーションの一部を解消できませんでした」。アフガンと米政府当局者は、武装警備員の多くは僅かしか訓練しないか、訓練をしたことがない者たちで、多くはヘロインやハシッシュでハイになっていると言います。アブラハム中佐は、スライマンを撃ったのは、隣接するザーリ地区(the Zhari district)の警察官で、副業として警備員をする者であることが分かり、警察に引き渡されたと言います。ワシントンに拠点を置く「Institute for the Study of War」の最近のレポートは、カンダハルの警察指揮官が自分の部下を第二の給与を得るために民間警備会社で働かせるのは普通だと言います。民間警備会社の銃撃による犠牲者が補償を受けることはとても珍しいことですが、ザーリ地区の知事は、アメリカから強い圧力を受けた後で、100,000ルピー(1,150ドル)をスライマンの家族に贈りました。

 時間がないので後半は省略します。

 こんな重大が事件が昨年起きていたのに、いままで報じられなかったのです。明らかに、これはアフガンで起きている問題のごく一部です。マルジャ戦が始まる前から、この調子なのですから、カンダハル戦終了後に住民がNATO軍に感謝する可能性はゼロです。対テロ戦で巨大に膨れあがった民間軍事会社は、末端まで管理が行き届かないために、これまで多くの問題を生んできました。しかも、それは西欧とアフガンの会社両方で起きています。米国防総省は早く民間軍事会社への依存を減らす決断をすべきです。それでは軍事活動が制限されるというのなら、活動をその範囲内で我慢するしかありません。民間軍事会社は経済活動を活発化させるので、議会もメスを入れにくい分野です。しかし、これらは急速に膨れあがり、戦争を助長する危険も持っています。日本も戦争によって新興財閥が増え、軍から施設建設などの受注を受けて発展したことがありました。こうしたあぶく銭をあてにすべきではありません。それによって多くの悲劇が起こることを考えるべきです。


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