イラクで爆弾事件が連続発生

2010.5.11


 military.comによれば、イラクで起きた連続爆弾事件で約100人が死亡しました。

 攻撃された場所や手法に限って訳します。

 イラク南部の港町バスラ(Basra)で3つの爆弾が夜間に爆発しました。少なくとも一つは市場で爆発し、少なくとも15人が死亡しました。バクダッド(Baghdad)で警察と軍の検問所に対する攻撃では、少なくとも10人が死亡しました。バグダッドの南にあるシーア派の都市ヒッラ(Hillah)では、織物工場の外で爆発した2つの自動車爆弾の犠牲者を助けようとして集まった群衆の中で、爆弾をベルトに結びつけた自爆犯が自爆し、少なくとも45人が死亡し、140人が負傷しました。目撃者は25m間隔で置かれた2つの自動車爆弾が午後1時30分に労働者が工場から出てきたところで爆発したと言いました。救助隊と労働者が負傷者を助けようとしたところ、自爆犯が爆破しました。バグダッドでは、市が雇った掃除夫の制服を着た襲撃者がサイレンサー付きの武器で検問所とパトロール隊に通りすがりざまに銃撃しました。犯行声明はありません。バグダッドの南40kmにあるスワヤラ(Suwayrah)では、車と道路脇の植物に仕掛けられた2個の爆弾で11人が死亡し、多数が負傷しました。バグダッドの北50kmにあるタミヤラ(Tarmiyah)では、市長の車列を狙った自動車爆弾で市長が負傷し、5人が死亡し、18人が負傷しました。バグダッド西部のアブグレイブでは、3回の爆発で少なくとも6人が死亡しました。北部のモスル(Mosul)からムサイーブ(Musayyib)までの4回の別々の攻撃で、少なくとも7人が死亡しました。

 これらの攻撃で重要なのは、スンニ派とシーア派の両方が攻撃を受けているということです。同時期に、北から南までイラク全土で両派閥を攻撃できる者は、ちょっと考えられません。アルカイダの工作員はすでにイラクにはほとんどいないはずです。しかし、偶然に事件が重なったとは考えにくく、何者かが意図を持ってスンニ派とシーア派を争わせようとしているように見えます。そして、再びイラクを内乱状態に陥らせるのです。イラク政府がアルカイダを非難するのは、確たる証拠があるというよりは、そう言うことで抗争が本格化することを防ごうとしているのでしょう。 今回の事件が偶然重なったのか、誰かの計画かは非常に気になるところです。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.