military.comによれば、イラク駐留米軍指揮官は、テロ攻撃の激化により、大部隊の撤退ペースを再考しています。
最初の撤退の波は1ヶ月遅れるとみられています。これはオバマ大統領が目標とする8月31日までに92,000人から50,000人への削減を危険にさらします。バグダッドとワシントンでは、当局者が最終期限に向けて全力を傾けていると言います。オバマ大統領はイラクの治安が悪化した場合だけ、期限を延長すると言っています。匿名を希望した政権上級当局者2人は、ホワイトハウスは8月31日の期限が押し戻される必要があるかどうかを注視していると言いました。イラクの政治的不安定により増した暴力は、レイ・オディエルノ大将(Gen. Ray Odierno)が「滝」と呼ぶ、短期間に大量の部隊を輸送する撤退をおそらく遅らせるでしょう。1月のインタビューで、オディエルノ大将は、撤退は毎月平均12,500人で始まり、8月の期限に間に合わせるために5月にはじまります。3月7日の選挙後、安定を確実にするために、2ヶ月間は撤退を始めたくないと言いました。3人のイラク駐在米当局者と米国防総省上級当局者は、「滝」は6月に始まることになっていると言いました。イラク選挙の直前、イラクには96,000人の米軍がいました。約4,000人の兵士(歯科医、郵便労務者、トラック運転手、その他の支援要員)は4月に帰国しました。先週の時点で、約92,000人の兵士がイラクにおり、これは毎月10,500人を引き揚げさせることを意味します。
記事にはほかにも色々書かれていますが省略します。ここでは、イラクでのテロ事件を理由に撤退を遅らせるべきかどうかを考えます。
撤退は計画通りに行うべきです。テロ事件の増加によって、米軍を増派するような活動はすでに過去のものです。それが効果を生まないことは、すでに証明されています。この上、未練を残して撤退を遅らせるようなら、それこそテロ組織に付け入られる理由になります。テロを増やせば、米軍はもっと長くイラクにいてくれると証明するようなものだからです。撤退を遅らせることは、武装勢力が米軍ともっと戦うための理由を作ることになりかねません。イラク撤退は長期にわたる対テロ戦を支えるために、無用な出費を減らし、必要な場所へ兵力を集中するために行われています。それを忘れるべきではありません。いまは細かいことにかかわっていては、大勢を失うことになります。