アフガン企業が建設計画の障害に

2010.5.4


 military.comによれば、アフガニスタンの企業に建設計画を与える努力は、結果として計画の遅れを導いていると米政府当局者が主張しています。

 陸軍工兵隊(The Army Corps of Engineers)は、地域経済に資金を注ぎ込み、大衆の支持を得ようとしています。新しい契約はNATO基地の拡大、アフガンの警察署、アフガン軍基地とその他の施設に向けられています。このアフガン優先の努力は、必要な建設計画を遅らせています。アフガン企業は、完成させるための資金や技術を持たない計画に入札することがあります。その結果、品質検査人が排水や電気配線の基本を教えることになります。小さなアフガン企業は巨大な国際的企業よりも地方の権威筋に賄賂を払う圧力の下にあります。陸軍工兵隊は、2010年会計年度で355件近くの契約を与えると予測され、これは2009年の3倍近い数字です。陸軍の数字によると、前年27億ドルだったのが32億ドルに増加しました。金曜日に公表される政府報告書では、バージニアに拠点を持つ「DynCorp International LLC」が建設中の、5,800人を収容する二つのアフガン軍兵舎は14ヶ月〜2年間遅れています。過去には、大部分の契約はDynCorpのような大きな国際企業へ行きました。2009年には130社以上の国際的建設業者がアフガン政府に登録しました。しかし、軍は国際企業にもアフガン労働者と下請け業者に訓練を取り入れるように要求します。国際的建設業者はアフガンの下請け業者に騙されると言い、アフガン人は国際企業が不当に支払を差し控えると言います。トルコ企業のために道路建設の下請けを行ったカブールの建設会社は、元請けがセメントを切り詰めたと言います。道路は1年以内にバラバラになり始め、トルコ企業は代金を支払わずに出国し、下請け会社は300,000ドルを失い、さらに道路を再建しました。

 時間がないので簡単に訳しただけで、記事の残りは省略します。これらの問題を簡単にまとめると、先進国と発展途上国の企業間のコミュニケーション不足ということになります。それも、努力で早急に埋められる程度の問題ではなく、文化の違いに根ざすほど、大きな違いです。現地業者の問題は湾岸戦争の時にも起こりました。受注を望む業者が押しかけて、混乱状態になったのです。しかし、米軍は必要な条件を示し、それをクリアすれば確実に仕事がもらえることを納得させて問題を解決していきました。アフガンはサウジアラビアとは違い、さらに問題が混乱しているようで、アフガン側だけでなく、西欧側にも問題があるのは絶望的です。西欧側の企業は米軍撤退と共に引き揚げるでしょうから、それ以降はアフガン企業が建設を続けることになります。 この遅れは受け入れながら、米軍撤退を進めていくしかないのでしょう。


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