military.comによれば、米下院軍事委員会のアイク・スケルトン委員長(Rep. Ike Skelton)は、この夏のカンダハル戦でより多くの犠牲者が出ると予測し、国防省当局者は否定しませんでした。
「我々の敵は知的で順応性があり、我々は連続的に我々の戦術を洗練させて対応する必要があります」とマイケル・フルールノア
国防次官(Defense Undersecretary Michele Flournoy)は下院軍事委員会で言いました。フルールノア次官とジョン・パクストン中将(Lt. Gen. John Paxton)は、ここ数ヶ月のアフガニスタン戦で最も上向きの評価をする一方で、失敗の可能性を警告しました。
「私は慎重ながらも楽観的です」「武装勢力は勢いを失っています」とフルールノアは言いました。パクストン中将は、カンダハル戦に名称を与えました。「協力」を意味する「ハムカリ作戦(Operation Hamkari)」です。ここ数ヶ月、ロバート・ゲーツ国防長官(Defense Secretary Robert Gates)と上級国防指導者は、国の多くで行き詰まっている戦争に、いくらかの向上の兆候があったとしか言いませんでした。デビッド・ペトラエス大将(Gen. David Petraeus)は先月、2010年は米軍主導の国際部隊が流れを反転させると予測しました。パクストン大将は、ヘルマンド州のマルジャとナド・アリ周辺での作戦の間、IEDの設置場所が米軍に通報される数が急増したと言いました。フルールノアは、12月に行われたNATOの調査では、121の重要な地域の内、アフガン政府に同調するか中立のは60地域でしたが、3月までには73地域に増加したと言いました。先週の国防総省の議会報告は、アフガン政府が完全に支配し、住民が完全にアフガン政府を支持する地域は一つもないことを明らかにしました。アフガン政府に同調するのは別の29地域で、中立は44地域。残りは武装勢力を支持するか同調しています。
国防総省はなんとかして状況をよく見せようとしましたが、スケルトン委員長に釘を刺された形です。子供が宿題をしなかった言い訳を、飼い犬がじゃれついたせいにするようなもので、物事がうまく行かないとき、国防総省はそれをうまく誤魔化そうとするものです。彼らは立場上、そうせざるを得ない部分があります。優れた政治家は、官僚が言うことを鵜呑みにせず、状況を的確に推測できなければなりません。これが米政界の軍政分野における駆け引きです。比較して、日本では、御用学者のホラ話を政治家が真に受けることが多いようです。アフガン戦がうまく行ってないことは、国防総省自体がよく知っているわけで、矛盾する世論調査結果が出るのも道理です。うまく行っているのなら、パクストン中将はIEDの設置場所の通報が増えた程度の話しかしないはずはありません。もっと重要な点での進歩を誇らしげに報告できるはずなのです。今後も、アフガン戦は、当サイトが予測している範囲内で推移し、撤退によって終わりを告げることになります。
military.comによると、ニューヨークの爆破未遂事件の犯人は、タリバンとの関連を証言し始めているようです。タリバンの関与はかなり確かなものとなってきました。しかし、もう少し情報が揃うのを待って、総合的に考えてみたいと思います。