military.comによれば、デビッド・シドニー国防副長官(David Sedney)が、訓練を受け、能力を持ち、タリバンが支配する地域に入る意志のある民間人の数は、すべての要求に合致していないと米上院委員会で述べました。
この評価は、アメリカの限られた資源と生命を、結果が不確かな戦争に投じることに疲れ始めている議員たちに受け入れられませんでした。ジェームズ・リッシュ上院議員(Sen. James Risch)は「彼らにそれを支える能力がないとか、我々アメリカ人がそうするのと同じ欲求がないということには苛々します」と言いました。リチャード・ルーガー上院議員(Sen. Richard Lugar)は、アフガンが石油が豊富なイラクのような経済的な成長の潜在性がなく、アメリカが今後数十年間アフガン軍を支援するために支払を続けることを懸念すると言いました。「私は困難な訓練のあとで、このすべてのために支払う資金がないという小道を辿るシナリオを目にします」。戦いに入って一週間で、マルジャの民間人のトップはアフガン国旗を街の中心部に揚げ、住民は帰還を始めました。それ以来、進展は米当局が計画したよりも遅くなりました。NATO軍は未だに街の大半を管理しています。ジョージ・ケーシー参謀長(Chief of Staff George Casey)は、木曜日にマルジャを訪問した際に、一番の懸念は戦いを引き継ぐアフガン軍の欠如だと記者に言いました。木曜日の証言で、米国務省のアフガン南部上級文官フランク・ルッジェーロ(Frank Ruggiero)は、この地域の統治を転換する努力はかなりの時間がかかると言いました。一つの実例として、この地域の腐敗した警察を新しい部隊に取り替える必要があります。「そこにはアメリカ人が物事を行う速度があり、我々は海兵隊や陸軍の兵士、米文民と協力でき、我々は疑いなく、この地区に影響力を持つことができます」「しかし、最終的にはアフガン人による進歩でなければなく、アフガン人のスピードで実行される必要があります」。ジョン・ニコルソン准将(Brig. Gen. John Nicholson)は委員会に、彼は「社会としてこれを行うことを望み、それを起こすに足る大多数のアフガン人がいる」と信じていると述べました。アフガン政府による支配の確立という問題に関わらず、シドニー国防副長官は、アフガンの結果に関して楽観的だと言いました。
現在準備中のカンダハル戦は、マルジャ戦よりも遙かに大規模な作戦になります。しかし、マルジャですら、戦闘終了後の行政サービスの投入に失敗しています。カンダハル戦のあとには、さらに深刻な問題が起こるでしょう。そして、時期を見て、タリバンによる支配が復活します。これが考えられるシナリオであり、これ以外の進展はないでしょう。このように、オバマ大統領による増派は成果を生まないのです。しかし、往々にして大国の国家元首はこういう決断を余儀なくされることがあります。昭和天皇は戦いに勝てないことを知りながら太平洋戦争の開戦を承認せざるを得ませんでした。それは前例のない、「無言の裁可」という形をとりました。また、こういう実態を、多くの場合、国民は理解しようとせず、無茶な戦争であると認めようとしません。国家元首が決断したのだから、間違っているはずがない、と単純に思い込むのです。ようやく米議会にも、この戦争に対する疑問が出てきたようで、それは議員たちの反応が示しています。対テロ戦も転回点を迎えているようです。今後、ブッシュ政権中に定着した誤った戦略を変える動きが強まるでしょうが、時はすでに失われています。アメリカがアルカイダに対して先手を取れるようになるかは不明で、極めて絶望的です。唯一の希望は、オバマ大統領、クリントン国務長官、ゲーツ国防長官などが、それを理解しているように思えるということだけです。