日韓、北朝鮮非難で中国を説得できず

2010.6.1


 spacewar.comが「日韓、北朝鮮非難で中国を説得できず」という記事を掲載しました。天安事件における中国の意向に関して、気になるところを訳出します。

 2日間の会合で、李明博大統領と鳩山由紀夫首相は中国の温家宝首相に、北朝鮮に天安事件の責任があると宣言するよう促しましたが、温主席は国連安保理への程度を支持する準備ができているという兆候を示しませんでした。温首相は、北京は立場を決める前に、天安沈没の国際的調査の結果を精査し、責任がある者は誰も保護しないと言いました。温首相は、この惨事を処理するのに近隣諸国から「賢明な強力」を期待すると言いました。韓国は会合の結果に満足しているようです。しかし、シンクタンク「セジョン研究所(the Sejong Institute)」のパク・ハクソン(Paik Haksoon)は、温首相のコメントは「中国がまだ調査の確実性と権威を疑っていることを示している」と言います。「前もって中国から支持を得ることなく国連安保理にこの問題を持ち込むことは意味がありません」。


 今回から、記事と私のコメントの間に区切り線を設けることにしました。これで記事と私見の違いを、より明確にできるはずです。

 温首相の態度は、中国がまだ態度を決めていないことを暗示しています。だから、温首相も態度を明確にしないのです。パク研究員の意見はそのことを指摘しています。韓国は近く国連に問題を提訴しますが、それまでに中国の支持を得られなければなりません。私は国連提訴は中国が態度を決めるまで待ってもよいと考えます。

 ロシアと中国は調査結果によっては、北朝鮮を批判すると言っていますが、期待できる対応はまるで違います(ロシアの調査団は昨日韓国に到着。記事はこちら)。おそらく、調査結果を分析した結果、両国とも北朝鮮がやったと認めるでしょう。その場合、ロシアは国連による制裁に賛成すると考えられますが、中国はより軽い制裁に留めようとしたり、採決に反対するか棄権するといった対応を取る可能性があります。

 北朝鮮が開城工業地区の運営を続けるよう、工場を持っている韓国企業に要請したという報道がありました。これで、北朝鮮が戦争をする気がないことが公的に明らかになりました。同時に、設備の韓国への持ち出しを原則禁じるなど、韓国企業の引き揚げを警戒している様子も見えます。

 このあと、北朝鮮がやりそうなのは、中国に国連制裁を回避するよう依頼することです。日韓米の制裁は避けがたいので、国連制裁だけでも止めたいわけです。中国がどんな態度に出るか。この一点に事件の結末が委ねられています。



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