アフガンに膨大な地下資源

2010.6.15

 military.comによると、アフガニスタンにはリチウム、鉄、金、ニオブ、コバルト、その他の鉱物が約1兆ドルあることが分かりました。

 アメリカの予備調査に基づき、1月にハミド・カルザイ大統領は鉱床が戦争で荒らされた国を世界で有数の国にできると言いましたが、これが最終的な結論で確認されました。アフガンのリチウムの潜在的な鉱床は、現在世界で軽金属を保持していると知られるボリビアのそれと同じくらいの大きさです。鉄と銅の鉱床もアフガンを世界で最大の生産国にするほどあります。アナリストはアフガンが鉱物資源を管理する準備ができていないと懸念します。「私はこれらの資源が適切に管理され、すべてのアフガン人のために、より平和で反映するアフガンを建設するために富が使われることを強く疑います」と、政治アナリスト、ジャナン・モザザアイ(Janan Mosazai)は言います。「我々には、天然の富が現実には人々の平和と繁栄にとって元凶となった生きた手本があります」と、彼はナイジェリアの多大な石油輸出にも関わらず、根強い貧困と紛争を引き合いに出しました。アフガン政府はすでに、クロム鉄鉱、天然ガス、石油、貴石と半貴石の大規模な鉱床を報告していました。「(今年の)十分で新しい情報だけでも、アフガンとソビエトの地質学者がすでに報告していたのと同じく、大金です」とモザザアイは言います。中国とインドはアフガンの鉱山開発で契約を得ており、中国は巨額の銅の契約を勝ち取っています。鉄鉱石の契約は今年後半に与えられることになっています。ワシントンでは、米兵がタリバンに全力を投じている間に、中国が銅山から利益を得ているという不満が出ています。


 要点のみ訳しました。

 せっかくのチャンスと思いますが、ワシントンで出ている不満が主流なら、チャンスが生きることはないでしょう。ちょっとしたゴールドラッシュに目の色を変えるようでは、この難しい戦争を勝ち抜けるはずがありません。別の記事では、鉱床は戦いが激しい地域にも広がっています。採石した資源をパキスタン経由で輸出するには、現在、武装勢力の攻撃にさらされているルートを使わなければならず、輸送隊が攻撃される危険があります。中国やインドの契約をうらやむべきではなく、むしろ同情すべきなのです。また、成り行き上、彼らの鉱石を積んだトラックを守る必要性もあります。鉱山の施設に対する攻撃も考えなければなりません。アフガン政府自体は鉱山を開発せず、外国の企業などに任せて、お金をもらうことになりますが、米軍が撤退した後は、アフガン軍がこれらのインフラをすべて自分で守らなければなりません。

 鉱山から得た利益で、荒廃した国家を豊かにするせっかくのチャンスです。直ちに具体的な方法を検討しなければなりません。大麻を作らなくても、鉱山で働けると農民を誘導するとか、タリバンを辞めれば、鉱山で働けるようにするといった道を作ったり、得られた富で、農業や軽工業を振興する方法を考えるのです。そのためにもアフガン政府内の腐敗は一掃されなければなりません。こう考えてくると、アフガンの鉱山開発は、かなり難しい話であることが見えてきます。


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