アフガニスタンでカンダハルでの戦闘が激化しています。military.comによれば、カンダハルの警察署付近での自動車爆弾と銃撃戦を含む攻撃により、1日に8人の米兵が戦死しました。
この日は、3人のイギリス兵がハザラ族のアフガン軍兵士に殺された日の翌日でした(この事件についてはこちら)。火曜日の夜遅く、カンダハル市のアフガン国家治安警察(ANCOP)本部の門に自動車爆弾による自爆攻撃が行われ、その後、武装勢力が機関銃とRPGで攻撃しました。米兵3人、アフガン警察官1人、民間人5人が、この攻撃で死亡しましたが、武装勢力は建物内には入れませんでした。ANCOPの特別部隊は、検問所を設置するために、最近、カンダハルに送られたばかりでした。死亡した民間人には、アフガン人通訳3人、警備員2人を含みます。タリバンが犯行声明を出し、国際部隊13人、アフガン軍8人が死亡したと主張しました。
南部では、4人の米兵が道路脇に設置されたIEDで死亡し、同じ日に銃撃戦による負傷でさらに米兵1人が死亡しました。7月はすでに45人の国際部隊(米兵33人を含む)がアフガンで死亡しました。
military.comによれば、軍用機から武装勢力に投下される爆弾とミサイルの数は、3年前と比較して25%下落しました。「the Center for Strategic and Budgetary Assessments」のバリー・ワッツ(Barry Watts)は、「私には、それは(民間人の犠牲)を制限するという観点からは行き過ぎていると思えます」と言いました。
military.comによれば、アフガンの国家安全保障会議は、一部地域で地元の防衛軍を設立するアイデアを受け入れました。この部隊は地元の警察隊として、内務省の下で、アフガン国家警察とは別に活動します。デビッド・ペトラエス大将(Gen. David Petraeus)は、若干の地域で、基本的に住民が自分の地域を守る地元の防衛軍に賛同しています。ハミド・カルザイ大統領(President Hamid Karzai)は、それらが地元の武装勢力に似ており、中央政府を弱体化させ、内戦を煽る可能性を恐れ、決断を留保しています。内務大臣が次の安全保障会議に詳細を提案することになっています。
最近の報道を見ても、カンダハルで大きな戦闘は起きていません。タリバンは活動中の米軍を、自爆攻撃やIEDで狙っているようです。今回の攻撃は、警察署を狙うことで、自分たちの実力を住民に誇示しています。建物の中に入ることが、彼らの目的だったかどうかは分かりません。しかし、そうしなくても、実力は十分に誇示できます。警察に見つからずに、近くまで武器を運搬できることが証明できたからです。自分たちはいつでも、望んだ場所で攻撃できることを住民に示して、住民が離反することを防いでいるわけです。この攻撃では、武装勢力側の被害が書かれていません。彼らが一斉射撃の後で逃亡に成功したのなら、正面切って戦わないゲリラ戦術がすっかり定着していることを意味します。
武装勢力への空爆に関しては、まだ詳細な研究報告がありません。現場の兵士の感覚だけでは駄目で、誰かが客観的な分析をする必要があります。空爆せずにとか、より少ない空爆で、大規模な空爆と同等の成果を出した事例はないかなど、検討されるべき事柄があります。
地元民による警察活動は、イラクで行われている「イラクの息子」みたいなものだろうと想像できます。これによって、警備活動を強化し、タリバンからの離反を狙います。イラクの息子も問題山積ですが、アフガンでも似たような状況が起きると予想されます。アフガン政府は彼らに給料を支払えるのでしょうか?。イラクでは、給料が払われないために、隊員が武装勢力や犯罪組織へ回帰していった実例があります。