米軍の不名誉な3つの事件

2010.7.25


 military.comによれば、スタンリー・マクリスタル大将(Gen. Stanley McChrystal)が退役し、セレモニーが行われました。

 米軍の不名誉な話を続けます。military.comによれば、トップレベルの機密にアクセスする権限を持つ何十人もの軍当局者と国防契約業者が、個人や政府のコンピュータに幼児ポルノをダウンロードしたことが、連邦政府の調査で明らかになりました。詳細は省略しますが一例を挙げます。海軍航空戦争センター(the Naval Air Warfare Center)で働いている請負業者の男性が持ち込んだハードディスクに、数千もの児童ポルノ写真が含まれていることをコンピュータ修理店が発見し、警察に通報しました。

 military.comによれば、スターリング・テランス・ホスペダルス3等軍曹(Sterling Terrance Hospedales)が幼児売春を認め、司法取引を受けた上で懲役10〜15年に直面しています。ホスペダルス軍曹は、家出した16歳と17歳の少女に売春させ、ウェブサイトに広告を出しました。ホスペダルス軍曹は不名誉除隊にも直面しています。


 マクリスタル大将の退役は意外と早かったですね。どうでもよいことですが、大将の奥さんが随分とお気楽な服装なのが気になります。こういう場所にはフォーマルな服装で来るのが常識なのでは?。

 ポルノ写真のダウンロード発覚は、つい最近も沿岸警備隊で起きています。その事件でも政府のコンピュータが使われました。アメリカでは、児童ポルノは特に批判の対象とされていて、それを政府の資材を使ってやったのなら、なおさらです。まして、家出娘に売春をさせた3等軍曹は、もっと批判されることでしょう。

 こんな風に、軍人や軍属も一般人と変わらない犯罪を犯します。陸軍大将も、日本の政治家の舌禍事件なみのことをやるわけです。しばしば、インターネットに現れる意見を見ると、軍人や自衛官などに異常なほどの信頼感を寄せ、彼らへの批判を拒絶する人たちを見ることがあります。どこから、そうした意見が湧いてくるのかは分かりません。私が自衛官ならば、逆にそうした意見を変に感じ、警戒するでしょう。軍人も自衛官も、一般人とそう変わるところはないのです。妙な敬意は、軍や自衛隊に対して率直に意見を言うべき時の障害になります。たとえばアメリカでは、軍を派遣先から撤退させるのにも、何らかの名誉が必要で、「それを確立したら撤退」という話になりがちです。戦略的な理由よりも、軍人の名誉が優先されるのは、とても正常な軍事的な考察とは言えません。


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