ロシアが北朝国境で機動演習を実施

2010.7.8


 中央日報によれば、KBS(韓国放送公社)が6日に、北朝鮮とロシアの国境地帯ハサン地区で、ロシアが北朝鮮の崩壊に対応する機動訓練を実施したと報じました。

 ハサン地区に国境守備隊のヘリコプター数十機を派遣し、国境を越えてきた北朝鮮難民を確保する訓練が行われました。難民が民間人である場合、軍が提供するテントに収容し、食糧と衣装を支援します。参加兵数は約2万人、航空機70機、艦船30隻でした。メドベージェフ大統領が戦闘艦から訓練を参観し、「極東地域で起きている問題を考慮し、ロシアが安全対策を準備する必要がある」とインタビューに答えました。


 ごく短い距離ですが、ロシアは北朝鮮と国境を接しています。ロ北国境のすぐ北西側には中国の国境が細長く入り込んでいます。ハサンと北朝鮮の間には鉄道があり、両国は鉄橋を挟んで駅を置いています。周辺は両国の貿易の拠点として開発されています。この付近には、中国とロシアから見られることを意識しているかのように、北朝鮮領内には、よく整備された農地が広がっています。

 国境の川は狭い上に、浅瀬が多いので、北朝鮮が崩壊した場合、ここを難民が越えてくる可能性が高いのです。ぜひとも、この地域をGoogle Earthで確認してください(kmzファイルはこちら)。ロシアの懸念がよく理解されるはずです。

 メドベージェフ大統領がわざわざ現地まで来て参観したということは、これがロシア中枢でも重要視されていることを示しています。北朝鮮崩壊に関する何が具体的な情報があるのか、万一の場合の備えに過ぎないのかが気になります。


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