アフガンにIED対応機材・人員を派遣

2010.7.9


 military.comによると、アメリカはアフガニスタンのIEDに対処するために30億ドルの機材を送る予定です。

 新しい機材は、係留型の偵察用小型気球、重装甲の車両、ロボットのような探知機械、地雷探知機で、数ヶ月後に届けられます。これに、検査技師、情報分析官、法執行官など、約1,000人のIED専門家が同行します。IEDは製造するのが簡単で安価です。パキスタンで生産されて、アフガンに持ち込まれる硝酸アンモニウムの肥料を使っています。2009年に比較して、今年最初の4ヶ月間にIED事件は94%増加しました。

 それから、military.comによれば、ロバート・ゲーツ国防長官は新しい中央軍司令にジェームズ・マティス海兵大将(Marine Corps Gen. James Mattis)をあてるようです。マティス大将は、2004年にイラクのファルージャ戦を指揮しました。また、2005年にサンディエゴで「人を撃つのは楽しい」と発言したことで知られます。これで彼は上官から叱責されましたが、懲罰は受けませんでした。(マティス大将の軍歴はこちら


 報じられている機材と人員が効果を生まないことは、最初から分かり切っています。投入される機材は、従来よりと大して変わっていません。これまで、米軍はあらゆる対処方法を調査・開発し、成果を生んでいません。 よって、急に成果を出せるはずがないのです。アフガン政府は硝酸アンモニウムの肥料(硫安)の所持を禁じていますが、未だにこれを使ったIEDが使われているのです。こういうありふれた物質は取り締まりようがありません。

 こんな無意味な活動でも、アフガンでの作戦を大統領が認めている限りは続けられます。だから、大統領が止めるように命令する必要があるのです。再三指摘しているように、軍人に任せきりにすれば、彼らは成果を生み出すまで活動を続けようとします。彼らはそういう努力をするための存在であり、退くことを潔しとしません。これにストップをかけたり、活動の内容を調整するのは「政治家」の役目なのです。これを積極的に、適格に行える政治家が、戦争をひどくならないようにコントロールできる人物です。

 ゲーツ長官がマティス大将を選んだ理由は分かりませんが、あまりよい人選ではなさそうです。続報があれば、もう少し理由が分かるかも知れません。それでも、交戦規則などに大きな変化はないでしょう。大きく変えることに利点はないからです。


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