military.comによれば、ピーター・キアレッリ大将(Gen. Peter Chiarelli)が検査で自殺する危険のある新兵を見つけることはできないと言いました。
キアレッリ大将は自殺に関する新しいレポートについて記者会見を開きました。ベトナム戦争以降、軍の自殺率が民間人より高くなったあとで、彼は調査を依頼しました。国立精神衛生研究所(The National Institute of Mental Health)は、年間2人の自殺者を防ぐために十分な検査をすれば、軍は採用目標を達成できないだろうと言いました。それは立派な兵士になるかも知れない多くの人々をふるいにかけることになります。
もう一点、追加します。military.comによれば、ノラ・W・タイソン少将(Rear Adm. Nora W. Tyson)が、空母ジョージ・H・W・ブッシュの艦長となり、米海軍初の女性空母指揮官が誕生しました。
キアレッリ大将が言う研究報告は、PTSDになり得る兵士を見つけ出す方法はあるけど、PTSDの心配がない人まで排除してしまうということだと思われます。
この検査方法が正確なのかが気になるところです。私が知っている範囲では、もともと、軍人や警察官に向いている性格の人は、何度戦地に派遣されてもPTSDにならないという事実があります。しかし、どういう性格の人かを知る方法は聞いたことがありません。兵士に向いているかどうかは、結果から導き出すものです。PTSDにならなかった人は兵士に向いていると判断するわけです。性格テストのようなもので、事前に判断できると聞いたことはありません。
この検査が不正確で、問題のない人まで拾い上げてしまうのなら、採用しないのは妥当でしょう。しかし、正確なのならば、採用を検討する必要があると思われます。単に、採用目標の障害になるというわけでは、合理的な理由とはいえません。あるいは、検査に時間がかかって採用が進まないという話なのでしょうか?。記事が短く、必要な情報が知らされていないという感じです。
次に、もう一つのニュースについて。
水上艦の女性艦長はすでに珍しくなくなりました。潜水艦への女性搭乗も実現に向けて動いています。いつかは女性の潜水艦長が誕生するでしょう。海軍の職種も男女の差がなくなりつつあります。米軍では同性愛差別の撤廃も進行中です。21世紀は軍隊の性問題に大きな変化が起きる時代となることを認識する必要があります。このことは、ひょっとすると、戦争文化に大きな変化をもたらすらも知れません。PTSDも性問題も、かつては軍隊では見向きもされなかった問題です。しかし今、これらの問題に光があたりつつあります。これに注目しないわけにはいきません。