パキスタンの洪水がタリバンの再編成を促進することから、アメリカは救援に躍起です。
military.comによれば、洪水で最も被害を受けたのは、パキスタンのタリバンやその他の武装勢力の拠点です。米軍はこの2年間、ここで武装勢力に対して何度か攻撃を実施してきました。パキスタン軍は救援活動を実施中で、洪水が退けば橋や道路の再建の要となるでしょう。パキスタン軍広報官アザル・アッバス少将(Maj. Gen. Athar Abbas)は、武装勢力が活発な地域を含めて、全土で60,000人の兵士が洪水救援に関わっていますが、洪水と戦闘を同時に扱えると言いました。武装勢力は、1,500人を殺し、1,400万人に影響を及ぼした2週間の洪水の間も攻撃を継続しています。自爆犯はアメリカが後援している民警組織の指揮官を殺し、北西地域の政治指導者の女性の兄姉を負傷させました。火曜日に、パキスタンのタリバンは、洪水は非宗教的な指導者を受け入れたパキスタン人への神の罰であり、外国による支援を拒否しろと言いました。橋がなくなれば爆弾を積んだ自動車を運転するのは難しく、武装勢力は洪水によって阻止されるかも知れません。しかし、彼らは軍隊よりは小さく、分散したグループなので、軍の圧力が弱まると、より柔軟性を与えるかも知れません。洪水が発生してから、アメリカは無人機によるミサイル攻撃を行っていません。military.comは、アメリカがパキスタンに派遣する救援ヘリコプターを3倍にしようとしていると報じています。現在6機の米軍ヘリコプターが救援活動をしていますが、これらは19機の別のヘリコプターと交替します。
時間がないので要点を簡単にまとめました。
タリバンはうまい宣伝活動をやって、人心が国際社会の援助に行くのを阻止しようとしています。記事には書かれていませんが、タリバンも救援活動を行っていると想像します。短期的にも長期的にも、国際社会の支援がタリバン離れを促進するとは考えにくく、僅かな効果が期待できる程度です。しかし、人道的見地から支援は行うべきです。そこには、タリバンの攻撃を避け得ないという問題もあります。タリバンが救援ヘリを攻撃する可能性が常にあります。アッバス少将の発言は、これまでと同様にまったく信頼できません。問題がないのなら、日本にヘリコプターの派遣を打診したりしません。洪水は不毛なパキスタンでの戦いを、さらに不毛にするかも知れません。