今日は広島に原爆が投下された日であり、現地では追悼のための記念式典が行われます。4日付けのmilitary.comが、ジョン・ルース大使(Ambassador John Roos)が記念式典に参列することを報じています。
記事は謝罪が欲しいという日本人被爆者の声を伝えていますが、ここでは次に期待されるオバマ大統領の広島訪問に関する部分を紹介します。
ルース大使は式典で演説する予定はありません。昨年10月、ルース大使は広島平和記念資料館を訪問し、ゲストブックに「広島への訪問は核兵器の破壊力を強く思い出させ、それらなしに世界の平和と安全を模索するために共に活動することの重要性を強調します」と書き込みました。ルースの広島訪問への意欲は、11月に日本を訪問する予定のオバマ大統領が次に続くかも知れないという希望をかきたてます。オバマ大統領の広島と長崎への訪問は、核なき世界を訴えたプラハでの演説と、ノーベル平和賞の受賞以来、日本で高まりを見せています。
両市の市長がオバマ大統領を招待し、日本の新聞の社説と反核団体は、過去のノーベル平和賞の受賞者が両市を訪問していることを指摘します。ワシントンに拠点を置く活動団体「Peace Action」のケビン・マーチン(Kevin Martin)は「これら2つの市の市長が公式に彼を招待しているのだから、オバマ大統領本人がヒロシマとナガサキに行くべきです。そして、爆弾の生存者である『ヒバクシャ』に会い、こうした恐るべき兵器が、彼らが受けた被害を誰も被らないために撤廃すべきだという、彼らの訴えを聞くべきです」。
しかし、謝罪問題はこうした計画を押しつぶします。原爆投下は戦争を終わらせるのを早めたと認識されています。
ジミー・カーター氏(Jimmy Carter)は大統領を辞めた後で、1984年に広島平和記念資料館の原爆死没者慰霊碑を訪問しました。現職中に被爆地を訪問した最も身分の高いアメリカ人は、昨年訪問したナンシー・ペロシ下院議長(House Speaker Nancy Pelosi)です。
原爆投下について謝罪するしないは、ひとまず棚上げし、オバマ大統領の被爆地訪問を優先すべきだというのが、私の考え方です。
元の記事にリンクされている掲示板を見ると、アメリカ人が原爆に関して謝罪する必要はないと考えていることが分かります。ここに書かれている意見のほとんどは感情論で、いちいちコメントすべきレベルのものでもありません。アメリカが原爆で謝罪するのなら、日本は真珠湾や南京虐殺、バターン死の行軍を謝罪すべきだという話がほとんどです。彼らは誤解しています。日本は公式に太平洋戦争に関して謝罪していますし、天皇は追悼のためにハワイを訪問しています。こんな言い合いを永遠に続けても意味がありません。
ルース大使が、カルフォルニア州サンフランシスコ市に生まれ、リベラルで、自由な学風で知られるスタンフォード大学の出身であったことは幸いでした。リース大使を中心として、オバマ大統領の被爆地訪問を成功させるという動きを成功させなければなりません。日米共に原爆投下に関する謝罪問題については避けなければならないと考えます。これは日本の問題ではなく、世界の問題だからです。